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第11回マイクロマシン展――デスクトップサイズのマイクロファクトリー

2000年11月10日 19時40分更新

文● 浅野純也

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昨日に引き続き、8日から10日までの3日間、東京/北の丸公園の科学技術館で開催されている“第11回マイクロマシン展”のレポートをお届けする。今回は、『マイクロ加工/組立用試作システム』(通称:マイクロファクトリー)を中心に取材した。

三洋、デンソー、東芝の配管内部検査マシン

三洋電機、デンソー、東芝が共同で開発している『配管内部移動検査マシン』は、配管の中を移動しながら、先端に取り付けたカメラで配管内を目視検査をするためのものだ。管の直径は10mm。その中に自走する検査メカを作り込むプロジェクトだ。管内を自走するために、電力はマイクロ波を使って伝送、メカに対するコマンドも電波で飛ばすため完全コードレスだ。

配管内部移動検査マシン。直径10mmの管内を自走するメカ
配管内部移動検査マシンは、先端のCCDカメラ、移動機構、システム制御&電源回路、エネルギー供給/通信デバイスの各モジュールから構成されている

三洋電機はマイクロ光電変換デバイスを担当、レーザ光線の照射によってCCDカメラや移動機構、制御用ICなど複数のデバイス向けに異なる電圧を生成する。東芝はCCDカメラを担当しており、昨年よりも0.3mmCCDカメラの直径を縮めている。デンソーは尺取り虫のようにピエゾ素子を伸び縮みさせる移動機構を担当している。基本的な技術は昨年まででほぼ完成していたが、今年はそれぞれを一体化させた点が新しい。実際に管内を移動して画像を送るデモを行なっていた。

東芝が担当したCCDカメラ部分の構造図。先端に可変ミラーを装備し、360度の視野を確保している
デンソーの圧電素子の足を振動させて管内を移動させるマイクロ移動デバイスの開発の変遷。全長が短くなると同時に移動速度が上がり、駆動電圧も下がってきている
三洋電機のマイクロ光変換デバイスの変遷。径が小さくなり、発電効率が格段に上がっている
システム制御に必要な基板は配線ピッチが120μ。実装はチップを削って2枚の基板を向かい合わせた。左の基板は同じものを通常スタイルで実現した場合の大きさ
手前中央のタイル目が部品を移動させる搬送デバイス。その奥に超音波サーボモータによる腕を持つ白いマイクロアームが2台見える

大手企業が共同開発したマイクロファクトリー

アイシン・コスモスとファナック、安川電機、三菱電線工業、富士電機、日立、セイコーインスツルメンツらが共同で開発したのが『マイクロ加工/組立用試作システム』(通称:マイクロファクトリー)だ。部品加工、搬送、組立の各機能をデスクトップサイズに集積したもので、昨年に比べ約3分の1程度の大きさにシュリンクされた。光を使った接着剤塗布デバイスや搬送デバイス、送液システム、マイクロチャック、マイクロアーム、マイクロサーボモーターなどの構成技術をアセンブルしたもので、より精度の高い加工/組立処理を従来以上に高速に行なうことが可能となっている。

スーツケースに入るポータブルマイクロファクトリー。手前のモニタを見ながらジョイスティックで走査する。手前にハンドやプレス、奥に旋盤やフライス盤がある。緊急停止ボタンはシャレだ

機械技術研究所も同様のマイクロファクトリーを展示した。こちらはμmオーダーの加工が可能なフライス盤や旋盤、プレス機、マイクロハンドなどを組み合わせたもの。スーツケースに入るよう小型化を図り、ポータブルなマイクロファクトリーを実現している。

今回の出展で注目を集めたのが、ミノルタのマイクロアクチュエーターだ。圧電素子の摩擦力を利用して数nmオーダーで分解設定できるアクチュエーターで、2mm径で5.5mmと10mmのモデルを展示していた。実物は小さすぎるのであらかじめ撮影された映像を掲載するが、1円玉の上でのデモは凄いのひとことで、多くの注目を浴びていた。すでにカメラの焦点制御に使われる予定だという。また、キヤノン電子も同様に超小型のモーターを展示していた。

これが基本形。垂直に立てたアクチュエーター上をナット風のパーツが上下する
アクチュエーターを3本組み合わせて3軸で動作するというデモ
マイクロアーム風に組み合わせたデモ
カメラのレンズ距離制御を狙って組まれたデバイスのデモ
実際の展示の様子。三脚の足下に見える透明ケースに入った丸い1円玉の上に見える微少の黒いツブがこのアクチュエーターだ
小型のモーターを使って尺取り虫や昆虫型のロボットを組み上げて動かすデモ。写真は尺取り虫ロボット
こちらは昆虫型ロボットのデモ

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