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汎用JPドメインの疑問を解決する

2000年10月13日 20時33分更新

文● 高島茂男

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 (社)日本ネットワークインフォメーションセンター(以下JPNIC)が9月1日に、「汎用JPドメインをやります」という発表を行なった。10月10日に導入日程を来年1月にずらす発表が行なわれたが、それでも受け付けまであと3カ月だ。ASCII24 Business Centerでは、汎用JPドメインとは何か、どんな影響があるのかをおさらいすると共に、JPNICに対して行なったインタビューをお届けしよう。


聞き慣れない汎用JPドメインって何?

 「汎用JPドメイン」とは何か、既存のco.jpやac.jpなどと比べて何が違うのか、どこが「汎用」なのかをまず解き明かしていこう。

 既存のjpドメインとの違いを羅列すると次のようになる。

  • 「汎用」とは、組織種別(co、ne、grなど)を特定しないドメインのこと
  • 組織種別がないので、登録はセカンドレベルドメイン(つまり“ascii.jp”など)になる
  • 組織のほか、個人でも汎用JPドメインを取得可能
  • 組織、個人でいくつでも汎用JPドメインを取得可能
  • 汎用JPドメインは、日本国内で原則で譲り渡しが自由
  • ドメイン名に日本語を利用可能

 上記を見ると、従来に比べて制限が緩和されたということがわかる。申請の手続きについても、従来の書類による申請から、Webサイトで申請する形に処理が簡略化される。

 汎用JPドメインを登録すると、たとえば「ascii.jp」「アスキー.jp」といったドメインが利用できるようになり、「http://アスキー.jp/」といったURLでWebサイトの公開が可能になる。


申請のスケジュールはどうなっているの?

 汎用JPドメインの登録申請は、申請の集中と混乱をさけるために、従来通りの先願制でいきなり受け付けが開始されるわけではない。まずは、「優先登録申請期間」と「同時登録申請期間」の2つの期間が設定されている。

  • 2001年1月22日~2月23日 優先登録申請期間
  • 2001年3月1日~3月23日 同時申請登録期間
  • 2001年4月2日~ 通常の先願登録申請

 優先登録申請期間とは、下記の条件のいずれかを満たす組織あるいは個人のみが申請できる期間だ。

  • jpドメインを保有していて汎用JPドメインの申請資格を満たす組織・個人が、第3レベル(ascii.co.jpの“ascii”の部分)と同一の文字列(日本語ドメインの申請は不可)
  • 日本の法律による登録商標を保有する組織・個人
  • 登記された商号・名称を持つ組織・個人
  • 名称と同一の文字列を申請する官公庁
  • ac.jpドメインに登録した組織の名称と同一の文字列

 登録商標や商号の汎用JPドメイン名を登録したい場合には、この期間に汎用JPドメインの申請をしておくべきだ。

 商号の場合、「株式会社」や「有限会社」、「社団法人」といった種別名称を含めたものしか登録できないのか、それとも省いたものでも登録申請できるのかについては、10月下旬に決定される予定という。

 ここで1つ問題がある。商標や商号は、登録区分や地域が異なれば同じ名称でも登録できるので、複数者から同じ名称の申請が行なわれる可能性がある。同じドメイン名の申請が優先申請登録の期間内にあり、どちらも正当であれば、まず既存のドメイン保有者が優先され、それで解決できない場合は抽選により登録者が決定される。

 次の同時申請登録期間は、優先登録申請期間のような制限はなく、汎用JPドメインの申請資格さえ満たせば申請できる。この期間内にあった申請は、すべて同時に申請があったとみなされる。期間内に申請すればよいので、3月1日に焦って申請をする必要はない。

 最後に2001年4月2日以降は、現行のドメイン同様に出願した順に登録が行なわれる。なお、以上のスケジュールについては確定ではなく、11月上旬に開催されるJPNIC総会の決議を経て本決まりとなる。

 優先登録申請、同時登録申請には手数料(数千円の予定で11月上旬に決定予定)が必要。これは、事務処理にかかる手数料ということで、抽選にもれた場合でも残念ながら返還されない。


漢字で登録できるの?

 汎用JPドメインの特徴の1つは、全角の漢字や平仮名、片仮名をドメイン名として利用できることだ。これまでは、半角の英数字と一部の記号しか利用できなかった。登録できる日本語の文字列は、15文字までに限定される。たとえば、「日本ネットワークインフォメーションセンター.jp」は登録名が21文字になってしまうので、残念ながら不可ということだ。また、英数字や記号を含む日本語ドメインの場合、「アスキー24.jp」と「アスキー24.jp」の両方とも同じドメインとして扱われるので、英数字の部分が全角の場合と半角の場合を別に申請する必要はない。


既存のco.jpはどうなる?

 既存のjpドメインは、廃止されるわけではなく、これまで通りに登録の受け付けは行なわれる。資格要件も基本的に変わりないが、新たにドメインの譲り渡しが認められるようになった。そのほかの規則については当面は変更されないということだが、汎用JPドメインを導入後に状況に応じて規則が変更される可能性があるという。

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