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日本アビオニクス、実物投影機能搭載マルチプロジェクターを発表

2000年10月11日 23時08分更新

文● 岡田 靖

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日本アビオニクス(株)は11日、同社のプロジェクター最上位機種となる『マルチプロジェクタ MP-400』を発表、同日販売を開始した。定価は130万円、初年度販売台数は5000台を予定しているという。

書画カメラ内蔵のプロジェクター

“マルチプロジェクタ”シリーズは、書画カメラを内蔵しており、映像ソースを選ばないプロジェクターだ。紙の資料も、ビデオ信号も、パソコンのRGB信号と同様に扱える。従来のOHP装置と、一般的なデータプロジェクターの両方の機能を持つといってもよい。

『マルチプロジェクタ MP-400』
『新聞を撮影しつつ投影したところ。かなり小さな文字だが、きちんと判読できる。撮影サイズはA4フルサイズ

講演会場などで用いられている一般的な書画カメラは、テーブル上の原稿を上から撮影する方式だが、マルチプロジェクターに内蔵されているものは上下が逆で、コピー機の原稿台のように、下側から原稿を撮影する方式を採用している。光源はカメラ側に内蔵しており、OHPなどの透過原稿ではオプションのバックライトユニットの併用で対応できる。焦点位置を固定できるため、面倒な焦点調節が不要というメリットもある。

ズームとスクロールを行ない、部分を拡大したところ。このサイズなら、離れた位置からでも文字を読みとれる

性能、機能、使いやすさの改良

プロジェクターエンジンには、MLA(Micro Lens Array)つきの3LCDと、200WのUHPランプを採用、光学系のリファインも行なわれ、クラス最高レベルの3250ANSIルーメンを達成した。解像度はネイティブでXGAに対応、SXGAは圧縮表示で対応している。書画カメラはLCDに負けない200万画素とし、新聞の文字もつぶれずに表示することができる。CCD画素数や輝度など、性能は従来機の倍近くまで向上したが、一方で小型軽量化も進め、重量8.5kg、容積28.2lのポータブルタイプとなった。重量、容積ともに従来機の約2分の1だという。

被写界深度が大きいので、立体物を載せても鮮明に映し出される。広角になったので被写界深度も向上し、従来機が約5cmだったのが、MP-400では倍以上になったという

使いやすさも改良された。画面のズームやスクロールがスムースになり、表示したい部分を、より正確に選択することが可能となっているほか、設置場所の高さによって投影画面が台形に歪むのを修正する“キーストン補正機能”も、新たに加えられている。

従来機MP-300(右)との比較

小型化のポイントは、カメラ部分の改良にあるという。従来機は、モノクロCCDに対して回転式カラーフィルターで色分解をしており、鏡で反射させなければならないほど光路が長かった。これに対しMP-400ではカラーCCDを採用し、さらに視野約160度という超広角レンズを搭載したことで、ガラス面を直接撮影する配置に成功したものだ。

多機能のマルチプロジェクターをプレゼン現場の中心に

ビジネス用のプロジェクターは、小型軽量化が急速に進みつつある。携帯性ではA4サイズノートパソコンと同程度のものまで登場している。だが、プレゼンテーション現場の中核にこそ、マルチ映像ソースの多機能プロジェクターが必要だというのが日本アビオニクスの考え方だ。「他社はモバイル化に重点を置いているのか、書画カメラなどの機能追加には消極的らしい。まだOHP装置にも相当な市場が残っているのだから、書画カメラ内蔵プロジェクタの存在意義は高い」と、同社の稲田常務は語る。事実、書画カメラ搭載プロジェクターは、ほかにほとんど存在しない。あっても、上から撮影する形式になっており、設置時や収納時にも手間がかかるものだけだ。

また、教育機関でも利用価値が高いという。紙やOHPフィルムなどの平面原稿だけでなく、立体物の映写も可能なので、実験の試料を映しながら説明する、といったOHP的利用方法のメリットも強調していた。

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