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内閣官房、インパク協同編集長4氏を発表

2000年09月19日 22時35分更新

文● 編集部 小磯大介

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内閣総理大臣官房 新千年紀記念行事推進室は19日、記者発表会を開き、12月31日に開始する“インターネット博覧会”(通称:インパク、愛称:楽網楽座、以下インパク)の企画立案、情報発信の推進をおこなう“インパク編集部”を組織すると発表した。また、あわせて、コピーライターの糸井重里氏、作家の荒俣宏氏など協同編集長4氏起用の発表、ならびに紹介をおこなった。

インパクは、2001年を“新千年紀の出発の年”と位置づけた政府が、12月31日から1年間開催する記念行事。国や地方自治体、民間企業、国際機関がインターネット上に万博(万国博覧会)を開設し、数百のウェブサイト(“パビリオン”)を運営する。パビリオンを利用する国民が、楽しみながらインターネットに触れられるようにすることで、まだインターネットに触れていない国民がインターネットを利用するきっかけにし、他の先進国に比べて遅れている日本のIT化を推進するのが目的である。

発表会では、新千年紀記念行事担当大臣である堺屋太一経済企画庁長官が、インパクの意義、目的、ならびにインパク編集部の概要と役割について説明した。

堺屋担当大臣

個性的な編集長を揃えた編集部

インパク編集部は、コピーライターの糸井重里氏、作家の荒俣宏氏、メディアアーティストの八名和彦氏、東京大学大学院 新領域創世科学研究科助教授の浜野保樹氏の4人を協同編集長として組織。4氏が毎月交代で編集長を務めながら、ユーザーをインパク内の各コンテンツに導くトップページ“インパク広場(ゲート)”を作成するほか、話題のニュースを提供したり、オンラインのイベントを“お祭り広場”で開催したり、全国規模でオフラインのイベント“リアルイベント”を企画するなどして、インパクを盛り上げていくとしている。なお、協同編集長のもとで実際の編集、運営をおこなうスタッフは(株)電通が手配すると、堺屋担当大臣はあわせて発表した。

「インターネット環境の導入に、日本は遅れている」とした堺屋担当大臣は、2001年を“IT革命元年”と位置づけ、「これから2001年末までの500日で、日本をIT先進国にする」と語った。そして同大臣は、「IT、そしてインターネットの普及には3本柱が必要」とし、「光ファイバーなどのハード、国民の基礎技能などのソフトと、国民が楽しめるコンテンツ」が、インターネット接続環境の普及に必要だと説明。そして、インパクが、3本柱のうち、“楽しめるコンテンツ”を受け持つ部分だとした。国民がインパクでインターネットの楽しさに触れられるようにすることで「できるだけ多くの人が、Eメールやウェブサイトの閲覧を、読み書きと同じくらいできるようにするのが目標。2001年末までに、約2000万人という現在のインターネット接続利用者数をできれば倍増させたい」という。インターネットの普及に最大の障壁となる通信料金の高さについては「インパクによって国民が多く利用するようになれば料金は下がる」と、インパクはあくまでコンテンツを担当するもので、主体的に料金値下げの行動を取るわけではないと、消極的な姿勢を示した。

協同編集長の糸井重里氏は、「国境という概念を打ち破るインターネットを、国が推進するのは矛盾」と疑問を挟みながらも、「大きな事業を国がバックアップするのは必要で、“重要な矛盾”だと考えている」と、インパクの意義を強調。「自動車が誕生したことで生じた生活の変化と同じようなことが、インターネットの発展で生じる。人間の可能性を大きく変える可能性がある」という同氏は、「『ネット、ネット』というが、インターネットの情報/ビジネスは、結局、人間を媒介して広まる」ともいい、氏の交友関係を中心に、広くインパクを盛り上げるためのコンテンツを提供できる人材を集めていくと抱負を語った。

糸井氏。「次の時代の楽しさを作るため、税金だと思って(笑)、みんな協力してください」と、インパクへの参加を訴えた。自身は「最初はどうかとも思ったが、自由にやっていいと聞いてからは『おもしろそう』だと思っている。ふざけたことをやっていく。クビになるようなこともやってみたい(笑)」という

なお、全体的なページ構成、コンテンツの配置に関しては、まだまだこれからといった印象。堺屋担当大臣が言うようにインパクが“楽しいコンテンツ”となるかは、現在、22日まで3次募集がおこなわれているパビリオン(コンテンツ)、そして4氏の企画内容次第になるだろう。

堺屋担当大臣(左から3人目)と、編集部のメンバー。「これ以上ない、立派な編集部ができた(堺屋担当大臣)」とのことで、その手腕に期待したいところ

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