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日本オラクル、『Oracle8i Enterprise Edition』のLinux対応版を発表

2000年08月22日 18時31分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本オラクル(株)は22日、Linuxに対応したリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)『Oracle8i Enterprise Edition for Linux R8.1.6』を30日に出荷開始すると発表した。価格は8同時ユーザー版(20クライアント)が160万円から。また、ワークグループ向けの『Oracle8i Workgroup Server for Linux R8.1.6』も9月中旬に出荷予定。価格は5同時ユーザー版(10クライアント)が22万円。

同社は'98年11月にRDBMS製品のLinux対応を表明、'99年3月に最初の対応製品となる『Oracle8 Workgroup Server for Linux R8.0.5』を出荷している。今回発表されたEnterprise Edition R8.1.6は、エンタープライズ向けとして、大規模なデータベースへの対応やレプリケーション(データベースの複製)機能を備えた製品で、4月にSolaris、HP-UX、AIX、Tru64 UNIX、Windows NTの各OS向け製品が発表済み。エンタープライズ向けRDBMS製品のLinux版は同社で初めてとしている。

日本オラクルの新宅正明常務取締役兼COO

発表にあたって、同社常務取締役兼最高執行責任者の新宅正明氏がLinux戦略について説明した。それによると、「'99年における世界のサーバーOS市場におけるLinuxのシェアは24.4パーセントと、1位のWindows NTの37.8パーセントを追い上げている(米IDC社調べ)。日本においてはNTが8割、Linuxは4パーセントと、Linux市場がようやく立ち上がったところ。

現在はウェブサーバーやファイルサーバーといった用途が限定されたサーバーから浸透が始まったところだが、今後はアプリケーションサーバーやインターネットのバックエンドサーバーとしての需要が伸びると見ている。これは、Windows NTが浸透していった経緯と同じだ。

Linuxの台頭と共にOracleの売り上げを伸ばすという戦略に従い、日本オラクルは日本のLinux市場を活性化すべく、パートナー各社と協力し、コミットメントを行なっていく」という。

発表会に同席した賛同企業各社の代表。左から、コンパックコンピュータ(株)の鈴木氏、日本アイ・ビー・エム(株)の仲西氏、日本電気(株)の猪瀬氏、(株)日立製作所の篠崎氏

Oracle8i Enterprise Edition for Linux R8.1.6および同Workgroup Serverが対応するLinuxのディストリビューションは、レッドハット(株)の『Red Hat 6.0/6.1/6.1J/6.1J改/6.2/6.2J/6.2J改訂版』、ターボリナックス ジャパン(株)の『Turbo Linux Server 6.0/6.1日本語版』。また、同社の子会社として6月に設立されたミラクル・リナックス(株)は、Oracle8iの動作に最適化した『Miracle Linux Standard Edition V1.0』を明日23日に発表する。さらにレッドハットもOracle8iに最適化した『Red Hat Linux Enterprise Edition Optimized for Oracle8i』を今週中に発表するとしている。

同社は今回発表された2製品により、低コストのRDBMS開発環境や、中小企業向けや部門向けのデータベースサーバーから、Eコマース・電子モールのバックエンドデータベースまでをカバーするという。さらに2001年には、ミッションクリティカル分野への適用に必要な、クラスターシステムへの対応と64bitプロセッサーへの対応を予定している。

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