日本シスコシステムズ(株)は20日から2日間、同社の最新製品を紹介する『CiscoWave+Networkers'99』を開催した。同社は20日、そのイベントの中で、TCP/IPによるネットワークに接続して利用する“IPテレフォニー機能”に対応した電話機の記者発表会を開いた。
この電話機は、アナログ電話機にあるモジュラーインターフェースの代わりに10BASE-Tインターフェースを搭載している。音声をデジタル化し、ネットワークパケットとして転送するため、従来のアナログ回線を利用しない。ターゲットは中規模から大規模までの企業としており、社内LANのパソコンとHubの間に電話機を繋げて使用する。回線の管理は、交換機(PBX)の代わりを果たすソフトウェア『Cisco
CallManager2.2』(Windwos NT Serverに対応)が行なう。回線構築費は、IP電話機10台と電話交換機能を提供するWindwos
NTサーバーで約100万円。アナログ電話の交換機を導入するよりも安価なシステム構築が可能という。第4四半期に出荷を予定している。
同社マーケティング部部長の篠浦文彦氏は、IP電話機発表にあたり以下のようにコメントした。
篠浦「このIP電話のターゲットは2通りあると考えている。ひとつは、20台前後の小さなオフィス。LANの機能と同時に電話の口も導入できるので、工事が1回で済み安価で早くシステムを構築できる。もうひとつはネットワーク端末が500台以上あるような大企業。企業名は明かせないが、現在、ある企業に協力してもらいテストしている」
篠浦氏 |
「シスコの現在の目標は、WAN、LANのエリアを音声とデータで統合すること。次の目標はネットワーク上のすべてのデータを統合的に管理する環境を提供すること。CiscoWave+Networkers'99では、これらの目標を実現させうる製品を展示している。楽しんでほしい」
CiscoWave+Networkers'99の展示物を紹介
展示ゾーンには、会見で発表したIP電話機が展示されていた。実際に企業に導入する場合を想定し、擬似的な社内LANが構築してあり、企業で電話を利用する場合を紹介していた。
IP電話機、コネクター部分は10BASE-Tインターフェースが装備される |
また、未来のネットワーク活用の紹介として、一般家庭でどのようにネットワークを活用できるか紹介していた。日本の家屋を意識した展示ブース内では、情報回線にアナログ電話回線を使用せず、CATV網を使って構築している。
電話機やテレビがすべてCATV網につながっているという展示 |
車もネットワークに接続されるようになるという展示 |