イスラエルのマジックソフトウェア・エンタープライゼスとワコム(株)は東京・全日空ホテルにて、マジックソフトウェア・ジャパン(株)設立、および『dbMAGIC
Version8』日本語版発表の記者説明会を開催した。
イスラエルのマジックソフトウェア・エンタープライゼス社は(株)ワコムとの共同出資でマジックソフトウェア・ジャパン(株)を設立した。出資比率はマジックソフトウェア・エンタープライゼスが80パーセント、ワコムが20パーセント。同社は主にRADD(Rapid
Application Development andand Deployment:高速アプリケーション開発・実行)ツール『Magic』の開発・発売およびサービスを提供しており、日本ではワコムが同社製品『dbMAGIC』(Magicの日本語版名)を販売していた。マジックソフトウェア・ジャパンは日本でのdbMAGICに関する全事業および研究開発を統括する。
マジックソフトウェア・エンタープライゼス会長David Assia(デイビッド・アシア)氏は日本法人の設立について次のように述べている。
アシア「日本市場では、イントラネット・インターネットの急速な成長がみられる。これらのシステムに対応する企業レベルアプリケーションの効果的な開発が求められている。特にRAD(高速アプリケーション開発)ツール市場の高い成長を見込んで今回の日本法人設立にいたった」
日本法人設立についてコメントする、デイビッド・アシア氏 |
アシア「今回発表する『dbMASIC Version8』は電子商取り引きに大変役立つツールである。この新しい製品をもって、更なる戦略を展開していきたい。世界的にも日本においても、多くのSIと関係を結んでいきたい。今後は電子商取り引きに焦点をあてていくつもりだ」
(株)ワコム代表取締役社長、恵藤洋治(えとうようじ)氏は同社とマジックソフトとの関係についてコメントした。
恵藤「当社では、10年間にわたってdbMAGICを販売していた。ワコムとしては従来、デジタイザー入力装置などのソリューションを提供してきた。10年前、マジック社と契約を結び国内で『dbMAGIC』の販売を手掛けてきた。ここ数年は顧客が急増している。当社の基本はパソコンに対する開発は長けているが、ミドルエンド・ハイエンドのアプリケーション開発には正直言って長けていない。3、4年前から、開発元が日本に出てきたのが良いであろうと話が進んでいた。この新しい会社が、コンピューター業界で30年間以上も経験をつんだ小川氏という新しいリーダーを迎え、スタートできることをうれしく思う」
ワコムの恵藤洋治氏 |
マジックソフトウェア・ジャパン代表取締役社長、小川義水(おがわよしみ)氏は以下のように続けた。
小川「現在日本でMagicのようなツールを使って開発している会社は、1割程度だと私は見ている。他社との競争力をつけるためにツールを導入する必要が出てきている。これほど高い生産性を持ったツールは他にないと思う。当社は、全社員がMagicに深く関わってきた者ばかりである。販売のために作った日本法人と違い、全面的に開発・販売をしていく。ワコムがサポートしてきた顧客を大切していく」
小川義水氏、サイベース(株)社長、スターリング・ソフトウェア・テクノロジー(株)会長などさまざまな業績を持つ |
小川「当面は、製品の新しいバージョンの出荷、エンタープライズレベルのアプリケーション開発、サポート強化、ウェブサポート担当の設置、親会社からのトップ技術者の日本常駐、スペシャリストの積極的採用を行なっていく」
全世界でのマジックソフトウェアの販売目標は60億円。その2割から3割を日本国内でまかないたいという。ワコムによる昨年の実績は18億円だった。