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マジックソフトウェア・エンタープライゼス、ワコムと共同出資で日本法人を設立

1999年02月02日 00時00分更新

文● 報道局 原武士

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 イスラエルのマジックソフトウェア・エンタープライゼスとワコム(株)は東京・全日空ホテルにて、マジックソフトウェア・ジャパン(株)設立、および『dbMAGIC Version8』日本語版発表の記者説明会を開催した。

 イスラエルのマジックソフトウェア・エンタープライゼス社は(株)ワコムとの共同出資でマジックソフトウェア・ジャパン(株)を設立した。出資比率はマジックソフトウェア・エンタープライゼスが80パーセント、ワコムが20パーセント。同社は主にRADD(Rapid Application Development andand Deployment:高速アプリケーション開発・実行)ツール『Magic』の開発・発売およびサービスを提供しており、日本ではワコムが同社製品『dbMAGIC』(Magicの日本語版名)を販売していた。マジックソフトウェア・ジャパンは日本でのdbMAGICに関する全事業および研究開発を統括する。

 マジックソフトウェア・エンタープライゼス会長David Assia(デイビッド・アシア)氏は日本法人の設立について次のように述べている。

アシア「日本市場では、イントラネット・インターネットの急速な成長がみられる。これらのシステムに対応する企業レベルアプリケーションの効果的な開発が求められている。特にRAD(高速アプリケーション開発)ツール市場の高い成長を見込んで今回の日本法人設立にいたった」

日本法人設立についてコメントする、デイビッド・アシア氏
日本法人設立についてコメントする、デイビッド・アシア氏



アシア「今回発表する『dbMASIC Version8』は電子商取り引きに大変役立つツールである。この新しい製品をもって、更なる戦略を展開していきたい。世界的にも日本においても、多くのSIと関係を結んでいきたい。今後は電子商取り引きに焦点をあてていくつもりだ」

 (株)ワコム代表取締役社長、恵藤洋治(えとうようじ)氏は同社とマジックソフトとの関係についてコメントした。

恵藤「当社では、10年間にわたってdbMAGICを販売していた。ワコムとしては従来、デジタイザー入力装置などのソリューションを提供してきた。10年前、マジック社と契約を結び国内で『dbMAGIC』の販売を手掛けてきた。ここ数年は顧客が急増している。当社の基本はパソコンに対する開発は長けているが、ミドルエンド・ハイエンドのアプリケーション開発には正直言って長けていない。3、4年前から、開発元が日本に出てきたのが良いであろうと話が進んでいた。この新しい会社が、コンピューター業界で30年間以上も経験をつんだ小川氏という新しいリーダーを迎え、スタートできることをうれしく思う」

ワコムの恵藤洋治氏
ワコムの恵藤洋治氏



 マジックソフトウェア・ジャパン代表取締役社長、小川義水(おがわよしみ)氏は以下のように続けた。

小川「現在日本でMagicのようなツールを使って開発している会社は、1割程度だと私は見ている。他社との競争力をつけるためにツールを導入する必要が出てきている。これほど高い生産性を持ったツールは他にないと思う。当社は、全社員がMagicに深く関わってきた者ばかりである。販売のために作った日本法人と違い、全面的に開発・販売をしていく。ワコムがサポートしてきた顧客を大切していく」

小川義水氏、サイベース(株)社長、スターリング・ソフトウェア・テクノロジー(株)会長などさまざまな業績を持つ
小川義水氏、サイベース(株)社長、スターリング・ソフトウェア・テクノロジー(株)会長などさまざまな業績を持つ



小川「当面は、製品の新しいバージョンの出荷、エンタープライズレベルのアプリケーション開発、サポート強化、ウェブサポート担当の設置、親会社からのトップ技術者の日本常駐、スペシャリストの積極的採用を行なっていく」

 全世界でのマジックソフトウェアの販売目標は60億円。その2割から3割を日本国内でまかないたいという。ワコムによる昨年の実績は18億円だった。

『dbMAGIC Version8』は分散アプリケーションに対応

 記者発表会では同時に、RADDツール『dbMAGIC Version8』の発表も行なった。この製品は、クライアント/サーバーとウェブのアプリケーション開発ツール。分散アプリケーションの開発や、インターネット・イントラネットを利用したウェブコンピューティングに対応するもの。企業の情報システム部門やSI業者向けに販売されるもので、(株)ツムラ、トステム(株)、松下電器産業(株)などへの導入実績を持つ。クライアントの対応OSはWindows 95/98/NT 4.0、サーバーの対応OSは Windows NT Server4.0、OS/400(予定)、対応DBはBtrieve 6.15/7.0、Oracle 7/8、SQL Server 6.5、DB2/400(予定)、ODBC 2.0。価格は、開発システムとしてデスクトップ開発用が30万円、エンタープライズ開発用が60万円。実行システムとしてクライアントが1ユーザーあたり6万円から、エンタープライズサーバーが1インスタンスあたり27万円から。販売開始は2月5日。

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