神奈川・パシフィコ横浜において、本日から4日まで“'98国際画像機器展”が開催されている。これはCCDカメラなどの入力装置やビデオキャプチャーカードなどの画像処理機器、画像解析のためのソフトウェア、昇華型ビデオプリンターなど、画像に関連した機器の展示会。入場料は無料。
展示会は比較的産業用途の製品の展示が多く、エンドユーザー向けの製品はあまり見ることができなった。展示物は工業用のCCDカメラなどが多く見られた。プロユースのデジタルカメラや、CCDカメラを用いた工場の製品検査システムや文字認識システム、レーザーや赤外線を用いて形状や温度分布を計測する機器なども展示されている。展示は特にCCDカメラが多く、CCDカメラと画像処理ボードを組み合わせて、工場内のライン上を流れる製品を検査するシステムが数多く展示されていた。
富士写真フイルム(株)のプロユース向けデジタルカメラ『DS-560』。140万画素のCCDを搭載する。ボディーは(株)ニコンのカメラを流用しておりFマウントのニッコールレンズが使用できる。画像はTypeIIのフラッシュメモリーに記録する。価格は77万円。 |
CCDカメラと画像処理ボード、文字認識ソフトウェアを組み合わせた文字認識システム。円盤上で回転する紙に印刷された文字を認識する。文字が傾いていたり上下が逆になっても認識できるよう、ソフトウェアで処理を行なっている。缶詰の製造年月日や賞味期限の検査に応用可能。 |
CCDカメラを用いた動体認識を行なうシステム。侵入者監視システムなどに応用できる。 |
41万画素のCCDを用いた(株)モリテックスの顕微鏡。教育市場をターゲットとした製品で、テレビに接続して使用する。500倍までズーム可能で、ビデオカメラとしても使用できる。価格は27万8000円。 |
米アライド・メディア・アンド・ネット社のテレビ電話。カメラ本体に電話機が内蔵されており、家庭用のテレビに接続して使用する。日本電信電話(株)のテレビ電話『Phoenix mini』はISDN回線を使用するが、同製品は通常の電話回線で使用できる。動画は1秒間で最大15フレームを伝送可能。アナログ回線を用いたテレビ電話の規格H.324に準拠している。価格は7万9000円。写真右の一体型のものは開発中の製品。 |
アイワ(株)が参考出品した『AIWA BOLT』ドライブ。テープドライブの1種で、QIC(1/4インチテープカートリッジ)を使用する。QICは通常2.2GBの容量を持つが、テープ速度を下げることで最大3.3GB(圧縮時6.6GB)の記録を可能としている。専用テープを用いた場合は最大で10GBの記録が可能。海外ではすでに販売を行なっているが、国内で販売する予定はないという。 |
日本バイナリー(株)の、3次元入力インターフェース『PHANToM』。アームの先についたペン状の部分を操作して画面上の3Dのオブジェクトに触れると、その物体に触れたときの抵抗を感じられるというもの。内部に組み込まれたモーターが物体の感触を作り出す。医療用途として手術のシミュレーションに使用できる。 |
(有)フィットのデジタルカメラ用魚眼レンズ『Moving Eye』。付属ソフトとして、上下左右180度の画像を2枚合成することで360度全体の画像を作成できるソフト『Wizard』が付属する(画像の閲覧には米IPIX社のプラグインが必要)。オリンパス、サンヨー、エプソン。コダック、ニコンといったメーカーのデジタルカメラに対応する。 |
この展示会は、工場内の検査システムといったシステム開発向けの技術的要素を展示するという性格が強いようだ。各社のブースで製品の説明を求めると「どのような使い方をされるのですか」とか「どのような機能がほしいですか」といったことをよく尋ねられ、“当社はこういう機能を提供できます”との説明も多く聞かれた。技術相談コーナーも設けられており、画像関連で技術的な問題を抱えているユーザーにはうってつけの展示会かもしれない。