リアルネットワークス(株)は、本日開催された“RealNetworks
Conference/Tokyo’98”にて、音声・映像をインターネット上でストリーム配信するシステム『RealSystem
G2』の最終リリースを出荷開始したと発表した。同システムには『RealServer』、ストリーミングメディアを再生する『RealPlayer』、コンテンツ作成ツール『RealProducer』が含まれており、ストリーミングメディア再生時の品質および信頼性を向上したという。
また、リアルネットワークス(株)は米リアルネットワークス社と米インテル社、米ネットスケープ・コミュニケーションズ社、米ロータス社各社との提携発表を受け、インテル(株)、日本ネットスケープ・コミュニケーションズ(株)、ロータス(株)と日本国内でも戦略提携を結び、活動を行なっていくと発表した。
米リアルネットワークス社会長兼CEOのRob Glaser氏 |
ロータス(株)は、’99年の第1四半期に出荷を予定している『Domino
R5』サーバーに『RealServer』をバンドルし、『Notes R5』クライアントに『RealServer』を組み込む予定だという。「これにより、イントラネット内での音声や映像を使ったコラボレーション作業が活発になるだろう」と、米リアルネットワーク社会長兼CEOのRob
Glaser氏は語った。
またGlaser氏は、「現在、『Real Player』でストリーミング配信を閲覧しているユーザーのうち、専用線を介して閲覧をしているのが全ユーザーの3分の1、ダイアルアップを介しているのが3分の2である」というデータを挙げ、「企業で『RealPlayer』を使用しているユーザーと、自宅で『RealPlayer』を使用しているユーザーの比率は、恐らく自宅からのユーザーが企業のユーザーより多い」という同社の分析について語った。
加えてGlaser氏は、「現状では、コンシューマーレベルでストリーミングメディアが広く受け入れられていると言えるが、ロータスとの提携により、エンタープライズ向け、企業内でのストリーミング配信を促進したい」と意欲を見せた。
出荷を開始した『RealSystem G2』に含まれるビデオを再生ツール『RealVideo
G2』には、米インテル社の“Streaming Web Video技術”を採用し、品質を向上したことに加え、音声を再生する『RealAudio
G2』の品質も向上したという。また、新しく『SureStream』技術を導入して、再生技術の安定性も図られている。
さらに、米エキサイト社が開発した検索技術を、音声・ビデオを再生する『RealPlayer
G2』は採用している。これにより、Web上の音声やビデオのファイルなどを容易に検索できるようになった。『RealPlayer
G2』のアップデートも容易になり、『AutoUpdate』技術を導入したことによってボタン1クリックだけでのアップデートが可能になった。
そのほか、テレビのチャンネルを選択するように目的のコンテンツを選択できる『RealChannels』を『RealPlayer
G2』に導入。ここでは、CNNやWall Street Journalなど約70社以上のコンテンツ提供者を集めている。年内の出荷が予定されている『RealPlayer
G2』日本語版では、日本語の主要コンテンツもチャンネルに追加する予定という。
『RealSystem G2』は、業界標準であるレイアウト言語のSMIL(Synchronized
Multimedia Integration Language)をサポートしており、音声・映像を用いたメディアだけでなく、テキスト、アニメーション、スライド、音声、映像を統合したコンテンツの配信に対応するという。
本日のイベントではCNN Interactiveの編集長であるJeff Garrard氏が講演を行なったが、同サイトが公開している“クリントン大統領のビデオ証言”では2日間で100万以上、ジョン・グレン氏と向井千秋氏が搭乗した“スペースシャトル”発射の映像では2日間で200万以上のリクエストがあったという。すでにストリーミングメディアは主要なメディアの一つと言ってもいいかもしれない。