米ECR社は、インターネット用セットトップボックス(STB)3製品の国内販売を行なう。発売を予定しているのは、英MSU社の『SlipStream』、米Coollogic社の『CoolVision』、英WebLink社の『WebLink』の3製品で、いずれも'98年6月ごろまでには日本語化が終了し、代理店およびOEM先が決まり次第、発売するとしている。価格はキーボード付きで4万円以下になる予定。
●SlipStream
CPUに32bitのインテル互換チップを搭載。33.6Kbpsのモデム、4MB(最大8MB)のメモリーを搭載する。グラフィックの解像度は640×480ドット、PAL/NTSC方式に対応したコンポジット、S端子を装備するほか、VGA端子も装備する。OSは米Network
O.S.社製を採用し、WebブラウザーはHTML3.2に対応、電子メールソフトも搭載している。日本語化は5月の予定。
●CoolVision
オラクルのNCベースのSTBで、CPUは32bit ARMを搭載。5MB(最大8MB)のメモリー、33.6Kbpsのモデムなどを搭載する。グラフィック解像度は最大800×600ドットまで出力でき、PAL/NTSC対応のコンポジット・S端子のほか、VGA端子も装備する。OSは、英Acorn
Computers社製を採用、WebブラウザーはHTML3.2に対応する。電子メールソフトは搭載しない。日本語化は6月初旬の予定。
●WebLink
CPUに32bit ARMを搭載。4MB(最大16MB)のメモリー、33.6Kbpsのモデムなどを搭載する(日本語版ではターミナルアダプター付きのモデルも検討中)。グラフィック解像度は640×480ドット、NTSC対応のコンポジットおよびS端子を装備。OSは『LinkOS』を採用し、HTML3.2対応のWebブラウザー、電子メールソフトなどを搭載する。日本語化は5月下旬を予定している。
ECR社の社長Greg Wible(グレッグ・ワイブル)氏は、STB分野について「ハードを売るだけではなく、ユーザーにアクセスさせることが重要なビジネス」と語り、テクノロジーよりも正しい使い方をユーザーに伝えることが重要としている。同時に、STBに適したコンテンツ(シンプルで、軽いもの)の作成、サポートの充実などが必要だと語っている。
STBについては、日本市場では依然不透明で懐疑的な部分も多いが、同氏は「日本市場でも受け入れられるだろう」と語っている。しかし、(株)アプリックス社長、郡山氏も言うように、STBの普及は“WebTV頼み”という声もあるなど、まずは同製品の発売後の動向に注目したいところだ。(報道局 井上哲郎)
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