QAD、ECと企業内の基幹業務システムを連携させた統合システム『co-Enterpriseソリューション』を発表

2000年06月12日 00時00分更新

文● 編集部　桑本美鈴

製造/流通分野を対象とした企業システムを開発、提供している米QAD社の日本支社であるキュー・エー・ディー・ジャパン・インクは6月12日、ECと企業内の基幹業務システムを連携させた統合システム製品群『co-Enterpriseソリューション』を発表した。

	都内で行なわれた発表会の席上で挨拶する米QAD社バイスプレジデントのJohn Doordan(ジョン・ドーダン)氏

同社は、co-Enterpriseソリューションの1つとして、同社のERPパッケージ製品『QAD MFG/PRO 9.0 日本語版』と、日本アイ・ビー・エム(株)のECサイト構築システム『IBM WebSphere Commerece Suite Ver.4.1』を統合したシステムを開発し、9月1日に発売する。

この統合システムは、オンラインショップサイトなどBtoC用のECサイト構築向け製品で、基幹業務システムで管理している製品の在庫情報などを、ユーザーがウェブブラウザー上でリアルタイムで参照できるほか、ウェブサイトからの受注データをすぐに基幹システムに反映できる。価格はユーザーのシステム規模によって異なり、同社とビジネスパートナーが製品の販売とシステム導入を行なう。

BtoB向け製品としては、複数の取引先、仕入先、営業所間でのデータのやり取りを最適化するトランザクション管理ソフト『QAD eQ』の英語版を7月31日に、日本語版を2001年第1四半期にそれぞれ発売する。eQは、取引先からのオーダーの条件を考慮し、受注データを分割または統合して、最適な物流業者や倉庫などに受注データを振り分けて送信することが可能。これにより、BtoB間でのデータのやり取りが単純化されるという。

また同社は、本社の米QADと、米Commerce One社が提携したことも発表した。両社は今後、QADの『QAD MFG/PRO』や『QAD eQ』と、Commerce OneのECサイト構築システム『Commerce One Buysite e-procurement application』や『Commerce One MarketSite Global Trading Portal』を統合したシステムを開発し、製造/流通分野の大企業向けに、2000年度末までに提供するという。

都内ホテルで行なわれた記者発表会には、米QADバイスプレジデントのJohn Doordan(ジョン・ドーダン)氏、同じくCTOのJames Kirkley(ジェームス・カークリー)氏、キュー・エー・ディー・ジャパン・インク代表取締役である池山修氏が登場した。

アジア/パシフィックおよび南米での営業部門を担当するDoordan氏は、「われわれは製造/流通分野に注力している。日本のERP市場は、市場が成熟している米国と異なり、現在急激な成長期にあると思われる。また、e-business分野は、現在世界的に初期の段階であるため、日本市場はERPとe-businessが並行して伸びていくだろう。よって、今後1、2年の間に多種多様な製品やサービスが出てくるだろう」と挨拶した。

続いてKirkley氏は、QADのe-business戦略について「e-businessとは、電子的な売り買いだけでなく、コラボレーションシステムが重要だ。ERPを土台としてシステムを構築しなければならない。われわれは今後、ERP製品をe-business対応にしていく。また、ビジネスパートナー各社と協力して、ERP上で動作するe-businessソリューションを開発する」と説明した。