17日、松下電器産業(株)は、東京・大田区の東京流通センターにおいて、同社が取り組んでいる“2000年記念商品”のプレス向け内覧会を開催した。
“記念商品”とは、同社が“初の商品”として'97年から毎年取り組んでいる企画商品のことで、2000年度は81件の製品やシステムを選定。36件の民生用、32件の産業用、13件の部品関連製品があり、民生用では“Panasonic”と“National”のブランド計35件の商品を国内で発売していく。
同社の専務取締役、AVC社社長の中村邦夫氏は、「2000年はデジタルビッグバンの年である。Panasonicブランドを推進し、統一していくブランドマーケッティング委員会を松下関連グループ6社でつくった。デジタル時代は開発スピードも速くなるため、アライアンスを組んで商品開発をしていく必要がある」と語った。
松下電器産業の専務取締役の中村邦夫氏(AVC社社長)。“Panasonic”ブランド商品のコンセプトを語る |
「“Panasonic”ブランド商品のコンセプトとして、デジタルネットワークとコンバージェンス(融合)を掲げ、だれでも簡単に使える“Easy
to Use”な商品を開発していく。テレビを中心とした“エンターテインメントネットワーク”、パソコンを中心とした“クリエーティブネットワーク”、携帯電話・モバイル機器を中心とした“コミュニケーションネットワーク”に注力し、それらをつないでいくメディアとしてDVDとSDを提案、それぞれの関連製品を拡大する」とした。
また、白物家電を扱う“National”ブランドでも同様の委員会を設置し、関係5社の協力により“新鮮創造”をキーワードとした製品開発を行なっていくという。
今回の発表と同時にプレス向けの製品内覧会も催された。Panasonicブランドとして展示された“2000年記念商品”は、BSデジタルハイビジョンチューナー、D-VHSビデオ、SDオーディオプレーヤー、SD対応メール端末、DVDホームシアターサウンドシステム。以下に展示製品をピックアップして紹介する。
BSデジタルハイビジョンチューナー。展示していたのはコンセプトモデル。ジャパン・デジタル・コミュニケーションズ(BS-i)の放送サービスをデモ |
BS-iでは、12月1日の放送開始から番組連動データ放送やインタラクティブ放送を始める予定。リモコンで参加するクイズやゲーム番組、デジタルショッピングなどのコンテンツを用意している。写真はショッピングの画面 |
参考出品の“D-VHSビデオ”。IEEE1394を装備している。BSデジタルテレビに接続し、リモコン1つで操作できるようにする。テレビが社会とつながる窓口になる“ゲートウェイ”の役割を果たす |
さきごろ発表のあったDVDビデオレコーダー『DMR-E10』。4.7GBのディスクで、映像と音声を記録できる。録画時は画像の複雑さによって転送レートを変える可変ビットレート圧縮方式を採用。4.7GBの片面ディスクで約1時間、2時間、4時間の録画が可能 |
DVD-RAMディスクの規格。TYPE1(左)は9.4GBの両面ディスク。カートリッジ式で取り外しができないタイプ。価格は3800円。TYPE2(中央)は4.7GBの片面ディスク。カートリッジ式で取り外し可能なタイプ。価格は2700円。TYPE3(中央)は4.7GBの片面ディスクで、カートリッジがないタイプ。価格は2300円。同社のベンチマークテストによれば、約500MBのファイル(4310ファイル、376フォルダ)をHDDからコピーするのにかかる時間は、4.7GBのDVD-RAMで7分2秒、2.6GBのDVD-RAMで13分13秒、1.3GBのMOで9分4秒、4倍速CD-RWで45分17秒という結果。4.7GBのDVD-RAMの高速性が分かる。テスト条件はCeleron433MHzのWindows98マシン |
パソコン用のDVD-RAMドライブ。外付けタイプと内蔵タイプがある。写真は外付けタイプの『LMF-D200JD』 |
液晶デスクトップパソコン『WILL PC』。DVD-ROMドライブを内蔵しているが、これに上記のDVD-RAMドライブを内蔵した一体モデルを発売する予定もあるという |
腕時計型のSDオーディオプレーヤーも展示。64MBのSDカードで、約64分から129分まで録音できる。本体価格は4万9800円。製品の詳細は【レビュー】SDメモリーカード対応のオーディオプレーヤー『SV-SD70』
SDカードを使用できるメール端末“ポケットE”(参考出品)。右側にSDカード用のスロットがある。CCDカメラを搭載し、携帯電話と接続して64Kbpsで通信可能。夏に発売する予定
SDカードの進化を表わす展示。まず32MBと64MBを発売。来年から1年ごとに256MB、512MB、1GBへと進展する。転送速度を現在の毎秒2MBから10MBへ上げる計画もある
音楽配信端末(商用)の参考出品も