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【Seybold Seminars Boston 2000 Vol.3】“CoolType”技術を使ったeBookの新製品など続々登場! ミレニアムはeBookの時代

2000年02月12日 00時00分更新

文● TERO MODA

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ミレニアムはeBookの時代が到来する!

7日、AdobeSystemsは、“PDF環境をPalmプラットフォームに移植するための開発”を、Palm Computingと共同で行なうと発表した。また9日に開催された“Seybold Seminors Boston 2000”の基調講演において、新技術“CoolType”も発表した。これは、PDAや電子ブック(eBook)のカラー液晶モニターで表示されたテキストを読みやすくするもの。

Palm ComputingのPDA製品『Palm V』で動作する
Palm ComputingのPDA製品『Palm V』で動作する


PDFリーダー。年内に出荷される予定

“CoolType”は、フォントのエッジ(ピクセル間の隙間)をカラー階調で埋め、スムーズに表示、プリントするというもの。今後、“CoolType”は『eReader』(Acrobat Readerの次期バージョン)に搭載される予定だ。

“CoolType”のデモストレーション。左が従来のスムージング
“CoolType”のデモストレーション。左が従来のスムージング


技術で、右が“CoolType”を使った画面。モノクロフォントの
エッジがカラーで埋められている

Seybold SeminarsのAssociate Conference Directorを勤めるThad McIlroy氏が「現在、米国内の多くの学校では、eBookを教材として導入することを検討している」と発言したように、米国ではeBook市場が急速に拡大している。それを裏付けるかのように、9日に開催した同イベントの展示会場には、eBook関連製品が続々と登場していた。

『eReader』と『Glossbook Reader』は同一製品?

Adobeのブースでは、“eBook Technologies”というコーナーが設けられ、“CoolType”のテクノロジーが紹介されていた。また、Palmプラットフォーム上で動作するPDFリーダーが、さっそくデモストレーションされていた。

AdobeのBruce Chizen氏(Executive Vice President, Worldwide Products andMarketing)によると、“CoolType”を搭載した日本語版PDFリーダーの出荷時期などについては、今月16日から19日に幕張で開催する“MACWORLD Expo/Tokyo 2000”で発表されるという。

また、Chizen氏は、9日の基調講演においてWindowsプラットフォームで動作するeReader(次期Acrobat Reader)のデモストレーションも行なっていた。

Glassbookのブースでは、このeReaderのインターフェースと非常に酷似したソフトウェア製品『Glossbook Reader』を展示していた。

『Glassbook Reader』(Standard版)の表示画面。『eReader』『Glassbook Reader』(Standard版)の表示画面。『eReader』


に酷似している

基調講演でデモストレーションした『eReader』のユーザー
基調講演でデモストレーションした『eReader』のユーザー


インターフェース

日本語対応製品は今年の夏から

『Glassbook Reader』は、eBookとしての使用を前提にしたWindowsプラットフォームのPDFリーダーで、Standard版とPlus版が用意されている。Standard版は“Glassbookのウェブサイト”から無料で入手、使用できるバージョンだ。Plus版は、3月に出荷が予定されている39ドルの製品。電子辞書をバンドルし、登録ドキュメントの全文検索などの機能を付加している。

『Glassbook Reader』では、PDFファイルを横に表示できる。
『Glassbook Reader』では、PDFファイルを横に表示できる。


スクロールもスムーズ

日本語表示には現在未対応だが、今年夏に出荷予定のバージョン2.0でプラグインをサポートし、2バイト言語の表示が可能になるという。

プラグインといえば、基調講演でAdobeのBruce Chizen氏がeReaderのデモストレーションを行なっていたとき、「このバージョンはまだプラグインに対応していない」という発言をしていた。

「基調講演で発表になった“eReader”と、“Glassbook Reader”はまったく同じ製品ではないのか」という疑問に対し、Glassbook、Business部門責任者のJon Melamut氏がコメントをくれた。「Glassbookは、Adobe Systemsと技術的な契約関係がある。ただ、それがどういう内容のものなのかは、答えることはできない。ただし、弊社製品がeReaderにすべて取り込まれ、消滅してしまうというような可能性は、今のところない」としている。

Acrobat Readerの向かう方向を、Glassbook Readerの中に、垣間見られることだけは確実なようだ。

タッチパネル操作のeBook専用機器。手のひらサイズや、カラーモニター、メモリー640MBのメモリー搭載タイプも

eBook専用機器では、タッチパネル操作の製品がいくつか出展されていた。その中でも目をひいたのが、手のひらサイズの『Rocket eBook』、A4サイズの『SoftBook Reader』、A4サイズを見開きで2ページ表示できる『EveryBook』だ。ブックデータは、それぞれのメーカーのホームページからダウンロードすることができる。

『Rocket eBook』は、重量627グラム、モノクロ液晶モニターを内蔵した手のひらサイズの製品。標準搭載する4MBのフラッシュメモリーカードには、400~4000ページを記憶できる。『Rocket eBook Pro』では、16MBを搭載。オプションで32MBのフラッシュメモリーカードも用意されている。バッテリー駆動で、20~40時間の連続使用が可能となっている。また、サウンド機能も備えている。PCとのデータ交換には、シリアルポートを使用する。価格は199ドル。

モノクロ液晶を使った『RocketBook』。『RocketWriter』を
モノクロ液晶を使った『RocketBook』。『RocketWriter』を


使ってファイルを作成することもできる

『SoftBook Reader』は、重量1.3キログラム、グレースケール液晶モニターを内蔵したA4サイズの製品。標準搭載する8MBのフラッシュメモリーカードには、約5000ページを記憶できる。オプションのフラッシュメモリーカードを使えば、5万ページまで記憶も可能だ。33.6kpsのモデムを搭載し、PCを介さずに直接ブックデータをダウンロードできる。価格は599.95ドル。2年間『SofBook』から雑誌や新聞を購読し、毎月19.95ドルを支払う場合、299.95ドルとなる。

皮の扉がついた、高級感のある『SoftBook Reader』。
皮の扉がついた、高級感のある『SoftBook Reader』。


ペンを使ってメモをとることができる

『EveryBook』は、A4見開き2ページのTFTカラー液晶モニターを内蔵した製品。PDFフォーマットのブックデータを表示できる。標準メモリーは640MBと広大(ただし年内に購入した場合。それ以降は260MBになる)。モデムを内蔵し、10Baseのイーサネットポートも備えている。

A4見開き2ページを表示する『EveryBook』。事務所内での
A4見開き2ページを表示する『EveryBook』。事務所内での


用途に適している

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