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【詳報】プレイステーション・ドットコム・ジャパン、大手ゲーム会社7社、流通4社と業務提携、第3者割り当て増資を各社が引き受けることで合意

2000年02月03日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)は3日、都内において、同社が2月1日付けで設立したプレイステーション・ドットコム・ジャパン(株)が、大手ゲーム会社7社、流通4社と業務提携することを発表した。同社が3月末に予定している第3者割り当て増資を各社が引き受けることも合意したと発表した。

業務提携する各社は次の通り。(株)ナムコ、(株)コナミ、(株)スクウェア、(株)エニックス、(株)カプコン、(株)バンダイ、(株)コーエーのゲーム会社7社。(株)セブン-イレブン・ジャパン、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)、(株)デジキューブ、(株)ハピネットの流通4社。この合計11社に対する第3者割り当て増資の総数は、発行後株式数の約20パーセント。比率については公表できる段階ではないとしている。

SCEの代表取締役社長の久夛良木健氏をはじめ、ゲーム会社、流通会社のトップが一堂に勢ぞろいした。左から、ハピネット代表取締役社長の苗手一彦氏、バンダイ代表取締役社長の高須武男氏、デジキューブ代表取締役会長兼CEOの鈴木尚氏、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長の増田宗昭氏、コナミ代表取締役会長兼社長の上月景正氏、セブン-イレブン・ジャパン代表取締役会長の鈴木敏文氏、SCE代表取締役社長の久夛良木健氏、プレイステーション・ドットコム・ジャパン代表取締役社長の佐藤明氏、ナムコ代表取締役会長兼社長の中村雅哉氏、スクウェア代表取締役社長の武市智行氏、カプコン代表取締役社長の辻本憲三氏、エニックス代表取締役社長の福嶋康博氏、コーエー代表取締役社長の襟川恵子氏
SCEの代表取締役社長の久夛良木健氏をはじめ、ゲーム会社、流通会社のトップが一堂に勢ぞろいした。左から、ハピネット代表取締役社長の苗手一彦氏、バンダイ代表取締役社長の高須武男氏、デジキューブ代表取締役会長兼CEOの鈴木尚氏、カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長の増田宗昭氏、コナミ代表取締役会長兼社長の上月景正氏、セブン-イレブン・ジャパン代表取締役会長の鈴木敏文氏、SCE代表取締役社長の久夛良木健氏、プレイステーション・ドットコム・ジャパン代表取締役社長の佐藤明氏、ナムコ代表取締役会長兼社長の中村雅哉氏、スクウェア代表取締役社長の武市智行氏、カプコン代表取締役社長の辻本憲三氏、エニックス代表取締役社長の福嶋康博氏、コーエー代表取締役社長の襟川恵子氏

(撮影:石田真一)

プレイステーション・ドットコム・ジャパンは、2月18日に電子商取引を行なうウェブサイトの営業を開始する。同ウェブサイトでは、“プレイステーション”および“プレイステーション2”本体とそのアクセサリーやソフトウェアを、消費者へ直接販売する。同ウェブサイトで、業務提携のゲーム会社のソフトウェアやグッズが販売され、業務提携の流通が流通経路、受け取り場所を担当することになる。

消費者の利便性を考えた

SCE代表取締役社長兼プレイステーション・ドットコム・ジャパン代表取締役会長の久夛良木健氏は「(プレイステーション・ドットコム・ジャパンは)インターネット人口に対して、ダイレクトマーケティングに参加してまいります。実際の店舗とECが密接に結び付くことで、消費者は利便性を享受できることに加えて、商品やサービスの注文方法や受け取り方法、受け取り時間、受け取り場所のもっとも快適な方法をライフスタイルに合わせて選択することができます」と、ダイレクト販売が消費者に利便性をもたらすものであることを説明した。

久夛良木健氏久夛良木健氏

(撮影:石田真一)

「単なるECに止まらず、さまざまな情報を発信し、育む開放的なメディアとなることをめざします。7社が中心となって、将来のビットコンテンツの配信に向け、検討と実験もしてまいります」

「直接ユーザーと直結できることで、ユーザーとコンテンツ提供者間のメッセージ交換なども行ないやすくなると思います」と、単なるダイレクト販売に止まらず、エンターテインメントコンテンツの配信や、消費者との交流の場として活用していくことを明かにした。エンターテインメントコンテンツには、音楽や映画、番組など幅広いコンテンツが検討されている。

業務提携を行なう各社の代表も、口々に「消費者の利便性」を参加の理由の一番に挙げていた。

プレイステーション2の準備は万全

3月4日に発売予定のプレイステーション2について、SCEの久夛良木健氏は、「(プレイステーション2用の)LSIは既に100万個ラインに投入してあります。これから3月4日に向け、最初のロット100万台を生産していきます」と、初回の販売日である3月4日と5日分の100万台を問題なく発売できることをアピールした。

発表会場に展示されたプレイステーション2。これが最終製品仕様とのこと
発表会場に展示されたプレイステーション2。これが最終製品仕様とのこと


(撮影:石田真一)

プレイステーション2を1度に100万台出荷することについて、「今までの産業構造を塗り替えていく大きな1歩になると思います」、「100万台を一気に発売するというのは、経験値がないことではないでしょうか。配送のトラックをどうする、レジの列の長さはどうなるのか」。久夛良木氏は、100万台を生産することよりも、発売日やその直前に起こるであろう問題を心配していた。

100万台のうち、どの程度の台数をECで販売するのかを質問されると、「現時点ではとくに決めていない」という。

ダイレクト販売で小売店はどうなるのか?

SCEが直接販売するとなると、小売店がだまっているわけはない。この点について質問が及ぶと、久夛良木氏は「アメリカで起こっていることを眺めてみても、クリスマスのプレゼントがすべてインターネットで購入されたわけではありません。地域と密接にリンクした店がシステム武装したときがもっとも強いのです。リアルの店とネットの店は、(消費者を)奪い合うものではなく、両方が合わさって、新しいことが起こるものだと思います」と、ダイレクト販売が小売店を食いつぶすものではないことを説明した。

この点に関して、ほかの出席者は、「流通のバランスを見ながらやっていきたい」(エニックス代表取締役社長の福嶋康博氏
)、「それぞれ接点の努力が必要。強みを出し、競争、協力し、新しい仕組みに対応していくことが必要」(スクウェアの代表取締役社長の武市智行氏)、「新しい需要を喚起している。消費者にとっては利便性が増す」(バンダイ代表取締役社長の高須武男氏)などの意見を述べた。

販売の価格について、久夛良木氏は「価格というものは市場が決めるもの。マッチングに則して柔軟な価格体系でやっていきます」と、定価販売と決めているわけではなく、市場の動向に応じて、販売価格を決めていくと語った。

特定の企業にとらわれないサービスを展開していく

久夛良木氏は、ソニー(株)のECサイト“ソニースタイル”についての質問に対して、「ソニースタイルは、ソニーの商品を販売する。それに対して、プレイステーション・ドットコム・ジャパンは、幅広く全ての皆さんのプラットフォーム。特定の企業にとらわれることなく、等距離のサービスを行なっていきます」、「各社のシステムをリンクして、1つの巨大な“バーチャルシステム”を構築しようという目的があります」と、スクウェアが先日発表したエンターテインメントサイト“Play Online”などともうまく共存していきたいと語った。

「開放的なメディアをめざしていきたいと思います。皆さんの共通な、オープンなコンテンツをめざします。今日は新しい時代に突入しはじめる日です」とまとめた。

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