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ビジオ・ジャパン、企業向けグラフィックソフト『Visio 2000 Professional Edition』を発売、米MSの買収手続きは来年1月に完了

1999年12月08日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ビジオ・ジャパン(株)は、本社でプレス向けに製品説明会を行ない、IT担当者向けビジネスグラフィックソフト『Visio 2000 Professional Edition』日本語版を2000年2月上旬に発売すると発表した。

Visio 2000 Professional Editionは、既存のビジネスユーザー向け製品『Visio 2000 Standard Edition』日本語版に、IT担当者向けの機能を追加したもの。VPN機器やThinクライアント、iMac、平面ディスプレーなど最新機器の“シェイプ”(図形)を収録しており、これらを利用して企業内のネットワーク構成図を作成できる。各シェイプには個別に情報を登録することが可能。

また、新たにディレクトリーサービスのダイアグラムの作成が可能になった。“NDS”、“Microsoft Active Directory”、“LDAPベースディレクトリー”のダイアグラム作成用オブジェクトがそれぞれ個別に用意されている。作成した画面と連動し、ディレクトリーサービスのツリー構造を表示できる“ディレクトリナビゲータ”も搭載する。このディレクトリーサービスのダイアグラム作成機能は、IT担当者からの要望が1番多かったものだという。

“Active Directory”ダイアグラム作成画面
“Active Directory”ダイアグラム作成画面



さらに、既存のデータベースの構造を解析し、図面化できる“データベースのダイアグラム作成”機能、プロジェクトのスケジュールをグラフィカルに表現できる“プロジェクトタイムライン”機能を搭載する。また、指定したウェブサイトのリンク状況を分析できる“ウェブサイトマップ作成”機能は、Java、ASP(Active Server Page:ウェブサーバー側でスクリプト言語や各種AcviteXコンポーネントを動作させるためのフレームワーク)、HTMLタグに対応、解析可能となった。

ウェブサイトマップ作成画面
ウェブサイトマップ作成画面



そのほか、UML(Unifield Modeling Language)1.2に対応し、Microsoft Visual BasicやVisual C++、Visual J++ベースのアプリケーションのクラス構造図を作成できる。

対応OSはWindows 95/98/NT4.0、および2000年2月18日に発売が予定されているWindows 2000。価格は8万2000円で、アップグレード版が2万9800円。

米ビジオ社のシニアマーケティングマネージャーであるTom Mereckis(トム・メレキス)氏は、「Visio 2000 Professional Editionは、ITユーザーを対象としたグラフィックソフト。図形にさまざまな情報を付加できるほか、作成した図面全体にも情報を追加できる。現在、企業のビジネスがE-ビジネスへと変わりつつあるが、システムが変更されても、それに関わるドキュメントには変更が反映されない場合がある。また、社員の異動が頻繁となっており、社員の持つ企業の知識をどうやって管理するかが重要となっている。ITプロジェクトやインフラをビジュアルな形でドキュメント化することで、これらの問題の解決につながるだろう」

米ビジオ社のTom Mereckisシニアマーケティングマネージャー
米ビジオ社のTom Mereckisシニアマーケティングマネージャー



「われわれはITユーザー向け製品として『Visio 2000 Enterprise Edition』も用意している。このEnterprise Editionは、Professional Editionのすべての機能を搭載するほか、自動作図機能も備えている。例えば、ネットワーク構造図を作成する場合、Professional Editonではシェイプをドラッグ&ドロップしなければならないが、Enterprise Editionには、実際にネットワークに接続すると、そのネットワーク構造を自動的に検出し、レイアウト図を自動的に作成できる“ディスカバーレイアウト”機能が用意されている」

「普通のITユーザーにはProfessional Editionを、ITユーザーの中でもネットワーク管理者にはEnterprise Editionを薦める。またEnterprise Editionのディスカバーレイアウト機能は、企業システムのコンサルティング業務を行なう人々にも有効だろう。Enterprise Editionの日本語版は2000年3月に発売する」としている。

米マイクロソフトの米ビジオ買収手続きは2000年1月に完了

また、米国で本年9月15日に発表された米マイクロソフト社の米ビジオ社買収の件について、ビジオ・ジャパンの代表取締役である佐々木哲氏は、「現在、米国で買収手続きを行なっている最中で、2000年1月には終了する。日本国内の手続きも、それに近い日付で終了するだろう。基本的にはマイクロソフトのOfficeグループの中の“Visio部門”として存在していくが、Visio製品がOfficeツールになるわけではなく、Visioは単独で発売される。製品構成や販売形態は今後もほとんど変わらないだろう。Office製品群とは連携強化が行なわれる。ユーザーサポートに関しては、まだわからないが、ユーザーにとって最もよい形にしたい」と説明した。

Mereckis氏も「買収にはほとんどのユーザーが好意的だが、買収が気に食わないと言っているユーザーも確かにいる。そのことは深刻に受け止めなければならない。Visio製品はユーザーに好評で、日本でも満足度は80パーセント以上だ。その満足度を維持するためにもユーザーの意見は真摯に受け止めなければならない。買収が完了しても、独立部門として存続していく。部門のヘッドも現在のCEOであるし、今と同じ体制が続いていくだろう。今後もユーザーに高品質な製品を提供し続けていく」と語った。

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