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NTT、3次元CGアニメーション作成ツール『映像ワールドプロセッサ』を開発

1999年10月22日 00時00分更新

文● 編集部 高柳政弘

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日本電信電話(株)(NTT)は18日、3次元CGアニメーション作成ツール『映像ワールドプロセッサ』を開発したと発表した。開発の目的は、リアルなCGアニメーションの作成作業の簡便化や効率アップを図るため。

同ツールは、同社が研究しているCG景観自動作成技術“Vmodeler”、静止画のアニメーション化技術“Dynamic Texture”、人物CGの歩行アニメーション自動生成技術“WorldWideWalk”という3つのデジタル映像技術を統合したもの。

Vmodelerは、ビデオカメラで撮影した映像を3次元のCG画像に変換する技術。これは、同社独自の“生成誤差最小化法”によって実現されたもの。この方法は、3次元化した画像をベースに撮影時と同じカメラ位置と向きでCGを作成し、この画像を元画像と比較することによって誤差の最小化を図っている。また、手ぶれのあるビデオ画像でも自動的に補正する機能を備えているという。

Dynamic Textureは、2次元の静止画から、CGアニメーションを作成する技術。これは、2次元で描かれた物体のスケルトン(骨格構造)を作成する。それに影響を与える力や力の向きなどのデータを基にして運動を生成する。さらに、動力学計算で物体の動きを導きだす。これらに、画像と画像の継ぎ目がなく変化させる画像処理技術“モーフィング技術”を組み合わせたもの。

WorldWideWalkは、3次元のCG景観の中に人物の歩行軌跡を指定するだけで人物CGの歩行アニメーションを作成できる技術。これは、骨格モデルの主要な関節の角度を運動方程式で求めることにより、階段や坂道などの地形の変化にも自動的に対応できるという。そのため、手作業や“モーションキャプチャー”*を利用する方法に比べ、制作時間やコストともに大幅に削減できるという。

*モーションキャプチャーとは、実際に動いている人物を撮影し、そのデータを取り込んでCG動画を作成する技術。

映像ワールドプロセッサの機能概要
映像ワールドプロセッサの機能概要



今後、同社ではこれらの技術をを改良し、プロから家庭用まで、CGアニメーションの作成を支援する技術やツールの実用化を目指すという。

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