このページの本文へ

個人のパワーを引き出すことが、“Webstyle”の存在意義になる

1999年06月07日 00時00分更新

文● 編集部 木内かおり

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

女性コミュニティーサイト“Webstyle”が、インターネット接続サービスを追加し、メールアドレスとホームページエリアの提供を開始して、約2週間。月額300円という、思い切った会費設定で、現在もプロバイダー会員を募集中だ。“Webstyle”を運営している(株)アールシーワイ・ビジョンの代表取締役社長・石原亜矢氏に、サービス開始後の反響などを聞いてみた。

・【関連記事】「RCYが女性コミュニティーサイト“Webstyle”でプロバイダーサービスを開始、子供向けサイトも新設」
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990520/srvc01.html

プロバイダー会員、1500人へ

――プロバイター会員の申し込み状況はいかがですか?
「反響はかなりあります。メールアドレスなどは、以前からニーズがあったんですが、今回のサービス開始に関しては派手に広告を打ったわけでもないですから、やはり“Webstyle”会員の口コミから、情報が広がっていったんだと思います。まったく新規でお申し込みされる方と、“Webstyle”会員から移行される方と半々くらいです。このペースで行くと、6月上旬から中旬にかけて、第1期の募集1500人に達すると思います」

――では、第2期の募集もすでにお考えですか?
「今のところ、第2期の募集時期としては夏の終わりを考えていますが、反響によっては、もう少し早めるかもしれません。現在のアクセスポイントは東京のみですが、近々、東京に引っ越す予定なので、第2期募集の連絡を待っています、というような方もいて、うれしい限りです。今年度の会員数の目標は1万人ですが、この分だと順調に会員数が増えていきそうです」

――この大きな反響の理由は、やはり会費の価格設定なのでしょうか?
「それも大きな理由だと思います。会費に関しては、安いから全然つながらない、遅くて当然というふうには考えていません。むしろ、接続がちゃんとできるとか、メールが送信できるとか、ホームページをアップロードできるとか、プロバイダーとして期待されている基本的なサービスに関しては、かなり気を遣っています。“安かろう、悪かろう”ではだめだと思うんです」
「私たちの場合、豪華なパンフレットを作るようなことはしていないし、申し込みもオンラインのみ。こちら側の事務処理のレベルで、コストダウンをはかっています」

――既存の“Webstyle”も、会員の増加に合わせて変わっていくのでしょうか?
「私たちはプロバイダーとして、会員数を5万、10万と増やしていくのではなく、一定の数の女性の方を会員として集め、その中で活性化を図っていきたいと考えます。2、3年後に会員数3万人を目指していますが、今後はその3万人に対するビジネス展開の方に、シフトしていきたいと思っています」
「今の時代に、プロバイダーとして名乗りを挙げて、ある一定の会員数を集めるというのは、たいへん厳しいことだと思うんです。無料のコミュニティーサイトも数多くありますし。うちの場合は、もともと“Webstyle”のサービスをすべて使っていただける会員を、ある程度短期間で増やしたかったということもあって、会費設定もできるだけ下げてみたわけです。基本的に無料のサービスも継続していきますが、今までの“Webstyle”に付加価値のあるサービスと価格で、会員の皆さんに情報を提供していきたいと思っています」

“Webstyle”のトップページ
“Webstyle”のトップページ



“for Kids”のトップページは子供が交代で担当

――同時期にスタートした“Webstyle for Kids”の方はいかがですか?
「Kidsの方は、既存の子供向けプロバイダー“Kids Net”からの営業譲渡という経緯があるので、すでに以前からの会員の方々は100人以上いますが、“Webstyle”に比べると、新規の申し込みに関してはこれからかな、という感じです」
「“for Kids”と“Webstyle”とでは、求められているサービスが違うと思うんです。子供が対象だと、自分でいろいろできる子とそうでない子がいますし、ご両親の考え方もありますから、これからコンテンツ製作や企画を立てて、子供たちがたくさん集まってくるような場所にしていかなければならないと思っています」

――具体的には、どのような企画を?
「まず、ホームページのトップページは、子供たちが交代で担当していきます。それが仮にデザイン的にあまりかっこいいものでなくても(笑)、自分の描いた絵などが一般の人に見てもらえるというのは、子供たちの大きな自信につながっていくと思います」
「それから、リンク集のようなディレクトリーサービスを始めます。これは、子供たちの推薦でURLを増やしていく形にしたいですね。子供の視点である程度集めて、それでも足りなければ、運営者側でフォローすればいいと思っています」
「あと、チャットや掲示板は子供たちに人気がありますので、できるだけ早く立ち上げたいですね」

――“for Kids”もやはり口コミ、ですか?
「現在は、子供たちが自発的に申し込んでくるというより、ご両親のどちらかがインターネットニュースを購読していて、このサービスを知ったという方がほとんどです。ただ、子供たちの口コミパワーというのがどの程度強いものか、まだ私にもよくわからない。子供たちの場合、何よりも学校という“媒体”があるし、インターネットが学校にもだいぶ普及してきていますから、もしかしたら、女性の口コミよりも、もっとパワフルなのかもしれないですね。ある意味でそれを期待しています」

会員同士という安心感が支えるフリーマーケット

――会員同士が情報や品物を売買できる“Webstyleマーケット”について、教えてください
「“Webstyleマーケット”は、いわば“ウェブ上のフリーマーケット”に近いもので、今夏スタートを予定しています。趣味で何かを作ったり、集めていたりする人はたくさんいますよね。“Webstyle”でも入会時に、趣味や興味に関するコメントを書く欄があって、
私も定期的に読んでいるんですが、面白い趣味を持っている人って、意外に多いんです。
そんな個人の持っている趣味のパワーをもっと引き出してあげたいなと思ったのが、企画の発端です」

――具体的にはどのようなものがマーケットで売買されるのですか?
「たとえば、編みぐるみとか、何でもいいんですが、趣味で何か作っていて、知り合いにあげたりするとたいへん喜ばれているものとか。そういったものを、1つ500円などと自分で値付けして、公開し、その値段でほしいと思った人が購入する。自分でとった写真をカードにしてもいいし、絵などをスクリーンセーバーにしてもいいんです。ただし、洋服や食器など、すでに自分で使われたものや中古品は取り扱いません」

――この新しい試みについては、どのように考えていらっしゃいますか?
「“Webstyle”は定価の数パーセントの手数料をもらって、売買が成立する仕組みを作りたいと思っています。その際、いちばん大切なのが、“誰が売り”、“誰が買う”のか、相手が見えるということ。まずそういった不安感を取り除いてあげたい。今、インターネット上でオークションなどもすごくはやっていますが、有料サービスという1つの接続サービスを持っていることによって、会員の身元の確認が何らかの形で終わっている――もちろん完全に、というのは無理かもしれませんが、比較的安全だと会員の方々に信じてもらえ、かつ私たちも安全だと思っている人たちの中だけで、この試みは、やっていきたいと思っています」
「今は編みぐるみとか、写真などといっていますが、やっていくうちにいろいろなアイテムが出てくると思います。最初は仮に5アイテムからスタートしたとしても、いつかは100、1000と増えていく可能性も秘めていますから、それを今から準備したい。個人のパワーを引き出すことが、すなわち“Webstyle”の存在意義だと思っていますから」

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン