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マイクロソフト、『Windows Media Technologies』の概要を説明

1999年06月03日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は、『Windows Media Technologies』の概要について、報道関係者向けに説明会を行なった。



Windows Media Technologiesは、デジタルメディアの制作や配信、再生を行なうためのプラットフォーム。主に、コンテンツ制作用の“Windows Media ツール”、配信用のサーバー環境“Windows Media サービス”、再生用のクライアント環境“Windows Media Player”の3機能に分かれている。

Windows Media ツール

Windows Media ツールは、『Windows Media エンコーダ』、『Windows Media Author』、『Windows Media ASF Indexer』、『Windows Media On-Demand Producer』などで構成されている。

Windows Media エンコーダは、マルチビットレート対応のコンテンツエンコードエンジン。最大6つまでの帯域幅をサポートする“Intelligent Streaming”(後述)対応のASFファイルを作成できる。先述の“Windows Media Audio”やMP3など最新コーデックをサポート。Pentium IIIに対応したことでエンコード速度が従来製品に比べ約40パーセント高速化しているという。

Windows Media Autherは、カナダのDigital Renaissance社と共同開発したイラストオーディオ作成ツール。オーディオとイメージを同期させ、オーサリングを行なえる。Windows Media ASF Indexerは、ASFファイルにプロパティやスクリプトなどを追加できるストリーミングツール。Windows Media On-Demand Producerは、音声と映像を編集してエンコーディングできるツール。そのほか、アドビシステムズのビデオ編集ツール『Adobe Premiere』を使ってASFファイルを作成できるプラグインも用意されている。

著作権保守機能を搭載

Windows Media サービスは、『Windows Media Service サーバー』、『Windows Media Rights Manager』で構成。

Windows Media Rights Managerは著作権保守のための機能。コンテンツ配信用にオーディオや映像をパッケージ化するもので、ユーザーは再生する際にライセンスが必要となり、再生時にはインターネット上のライセンス取得サイトへ自動的にアクセスする仕組みとなっている。コンテンツプロバイダーは、ユーザーがライセンスを取得する前に、ユーザー情報の入力要求や課金、広告表示などが行なうように設定可能。

同社は、理想のデジタルコンテンツ利用モデルとして「コンテンツ発行者は、コンテンツ作成を行なうと同時に、ポリシーに従ってコンテンツに“シール”を付け、そのシーツ付きコンテンツを配布。消費者はコンテンツを得て、支払い後にライセンスを取得、コンテンツのシールをはずして使用する」というコンセプトの元に、著作権保守機能を開発したとしている。

Windows Media Player最新版を提供

Windows Media Playerは、最新バージョン『Windows Media Player 6.2』が提供される。Windows Media Player 6.2は、ASF、WAV、AVI、QuickTimeムービー、MPEG1、MPEG2など、ほとんどのマルチメディアファイル形式が再生可能で、ファイヤーウォールやLAN、ISP経由での接続が可能。また、コンテンツプロバイダー向け機能として、先述の著作権保守対応のほか、映像の下部にGIFアニメーションを表示できる“アドバナー”、スポンサー名などを表示できる“ウォーターマーク”、映像の詳細を表示できる“ディスプレーバー”などが用意されている。

このWindows Media Player 6.2IE5やOffice 2000、Windows 98 Second Edition、Windows 2000に含まれる。また、サードパーティー各社からも、Windows Media Audioに対応したオーディオプレイヤー、パーソナルジュークボックスなどが提供されるという。

最新コーデックに対応

最新コーデックとしては、ISOの“MPEG-4”に準拠したビデオ圧縮技術“Microsoft MPEG4”、同社独自開発のオーディオ圧縮技術“Windows Media Audio”をサポートしている。Microsoft MPEG4は、10Kbpsから10Mbpsまでの帯域幅で映像配信が可能。インテルのCPUであるPentium IIIのSSE/SIMD命令にも対応している。

Windows Media Audioは、コードネーム“MS Audio”として知られていたもの。MP3と比較して約半分のファイルサイズで同等の音質を実現するという。帯域幅は28.8Kbpsから160Kbpsまでサポート。会場で行なわれたデモでは、128Kbpsでファイルサイズが156KBのMP3データと、64Kbpsでファイルサイズが82KBのWindows Media Audioデータを比較し、「ほとんど同レベルの音質」と説明した。エンコード/デコードのスピードも既存のものに比べ速いという。

ユーザー環境に合わせた自動配信機能

ユーザーに最適なコンテンツを自動配信する“Intelligent Streaming”機能も用意されている。Windows Media サーバとWindows Media Playerを組み合わせて使用した場合に可能となるもので、Windows Media サーバとWindows Media Playerが自動的にネットワークの接続速度と帯域幅を判別し、ユーザーの回線速度にあったコンテンツを配信する。これによりコンテンツプロバイダーは、複数の帯域幅に対応したコンテンツを1ファイルで作成できるとしている。

また、『Microsoft PowerPoint 2000』の“プレゼンテーションブロードキャスティング機能”を利用することで、PowerPoint画面を表示しながら、同時にプレゼンターの説明映像を配信することが可能。製作者側は、PowerPoint 2000とビデオカメラを、クライアント側はInternet Explorer 5およびWindows Media Playerを用意するだけで、プレゼンテーションをリアルタイムで配信できる。

Windows Media Technologiesの最新版である『Windows Media Technologies 4.0』は、米国では7月下旬に、日本国内では8月下旬に製品版がリリースされる。

現在開催中の“NetWorld+Interop 99 Tokyo”会場内で行なわれている『Windows Media Technologies』のデモ
現在開催中の“NetWorld+Interop 99 Tokyo”会場内で行なわれている『Windows Media Technologies』のデモ

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