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CD-R、CD-RWの展望を語る“第1回オレンジフォーラム”が開催

1998年02月19日 00時00分更新

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 CD-Rの普及促進を目的としてメーカー53社により組織された“オレンジフォーラム”は本日、千代田区の科学技術館にて“第1回オレンジフォーラムセミナー”を開催した。同フォーラム会長の中島平太郎・ソニー(株)技術顧問による基調講演、およびパネラー5名によるパネルディスカッションを行ない、CD-R、CD-RWの展望や課題を各方面から討議した。



 '97年、国内におけるCD-Rドライブの出荷台数は約200万台。中島氏は'98年にはこの数字が620万台に増加すると予測している。理由のひとつとして、他のメディアに比べてCD-Rディスクはbitあたりの単価が安いことを挙げ、「CD-Rディスクは年々3、4割程度の価格低下を続けており、今後も強い競争力を発揮するだろう」と語った。

 しかし、パネルディスカッションではCD-R、CD-RWの持つ問題点が次々と浮き彫りにされた。1ユーザーとして参加したというフリーライターの福田伸哉氏は、「CD-Rはドライブ、ディスク、インターフェースの相性が悪いと、書き込みエラーが発生しやすい。ただの板になったCD-Rディスクがどれだけあることか」と述べた。また、困ったとき役立つWebサイトとして“CD-R Maniacs”(http://plaza5.mbn.or.jp/~gam/)を紹介した。



 そのほか各方面から、CD-Rは書き込み速度が遅い、互換性に欠ける、持ち運びのできるポータブル型CD-R/RWがない、などの点が指摘された。一方CD-RWについては、製品化されて1年足らずということもあり、価格の高さがネックとして挙げられた。

 (株)テクノシステムリサーチの佐藤弘一氏は、「有望な用途が見つかっていない」という。現状では、既存製品をコピーするという非合法の用途が多いことを指摘、ユーザーのニーズをどれだけ発掘できるかが鍵となる、と述べた。

 個人が1メディアとして発信する“スモールパブリック”という発想についても議論されたが、具体性に乏しく、“ニーズの発掘”といえるものではなかった。CD-ROMドライブで動作するという強みを持ちながら、国内ではMOに押されているCD-R。記憶メディアが林立するなか、CD-Rだけの有用性をアピールできないまま閉会した感が残る。(報道局 浅野広明)

http://www.orangeforum.or.jp/

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