このページの本文へ

パソコン検定試験、来年度の受験者数は目標10万人

1998年02月18日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷


P検の本格普及に向けて説明会開催

 省庁OBや教育者、一般企業などからなる任意団体のパソコン検定委員会は、パソコン検定の実施を検討中のパソコンスクールなどの関係者向けに“パソコン検定試験説明会”を開催した。

 パソコン検定試験(P検)は、エンドユーザーを対象に'96年12月から実施されている。中学生から社会人まで幅広い層が受験し、その数は'98年3月までに約2万5000人になると見込んでいる。2003年に小中高等学校の教育課程が変わり、パソコンが教科として本格的に取り込まれる可能性が高いことや、パソコンを使える人材の企業ニーズが高いことから、今後P検の普及に力を注いでいくという。また専門学校やパソコンスクールなどの中で一定の条件を満たす学校を“認定校”とし、認定校は試験の実施、対策ゼミの開講、教材販売などを行なうことで売上増が見込めるという。認定校は来春には北海道から九州まで約400校になる見込み。

各方面からのコメント

 (株)旺文社でパソコン検定の普及に取り組む久保宗弘氏は、
 「少子化の影響で、ますます受験生が減る今後、成長が見込める分野は語学とパソコン。P検の普及には社会的な権威付けと認知度が重要。2003年を先取りして、学校向けの級レベルの新設や書店での願書取り扱いなどを行なっていく」

 委員で元文部省生涯学習局局長の草原克弘氏はP検の意義として、
 「学校でパソコン教育が導入されたが、従来の科目と違い、家庭でパソコンに触れる子供とそうでない子で個々の能力、進度がばらばらなので、新しい評価方法が必要。それも学校ごとの評価ではなく、P検のような客観的な評価が必要。また大人にとっても生涯学習として社会から評価されるシステムが必要」

 運営組織のひとつ、(株)パソナソフトバンク取締役 鍛冶豊顕氏は、
 「人材派遣業界ではPCやネットワークに強い人材が足りない状況。P検は客観的に実力を測る仕組みとして、企業社会で強く求められるだろう。認定校が400校なら1校で月20人受験すれば全体で月8000人。来年度10万人にまで引き上げられればいいと思う」

 1月21日にP検の後援団体となった(社)日本パーソナルコンピューターソフトウェア協会の清水洋三専務理事は
 「今、日本で労働人口は6500万人。車の免許を持っている人は6500万人いるが、パソコンのユーザーは800万人。教習所の努力もあって40年かけて車の免許保持者がこれだけ増えたが、私たちは4、5年でパソコンユーザーが6500万人になるようにしたい」

 支援する立場として、通商産業省機械情報産業局の安延申氏は 「通産省では技術者向けの情報処理技術者試験を行ない、毎年50万人が受験している。エンドユーザーを育てることに関しては、義務教育で何を教えるのかまだはっきりしていないこともあり、民間の総意にゆだね、協力、支援を行ないたい。英検(実用英語技能検定)のような試験にしたい」

試験概要

 組織全体の情報システム環境を構築・運用できる1級から、パソコンを始める際のOSなどの基礎知識を問う5級まであり、誰でも受験可能。試験問題は、ひとり1台割り当てられたパソコン上で解答する。タイピングと、パソコンの基礎やネットワーク、アプリケーションに関する問題に選択式で答え、終了するとその場で合否がわかるという。

 これまでは試験問題はCD-ROMに収録し、試験会場となる“認定校”に配送し、試験結果はフロッピーに落として同事務局に返送していた。3月より試験問題を圧縮し、Eメールに添付して試験会場となる“認定校”に配布する。認定校では、会場のパソコン1台1台に試験問題をインストールして利用する。この際、公開鍵方式の暗号を用いるという。

 なお、5級は小・中学校にWindows95の動作環境がほとんどない点を考慮してペーパーによる試験が行なわれる。(報道局 若名麻里)

http://www.pken.com/

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン