(株)ブレインは、仏index+社の製品を継続的に日本に紹介するため、同社と業務提携したことを発表した。販売は(株)SME・インターメディアを通じて行なわれる。
同時に、新作CD-ROMタイトル『タイムトラップ-時空の罠-』、『クルセード-聖十字架を奪還せよ-』の2タイトルの発表も行なわれた。2タイトルともWindows95とMacintoshに対応で、前者が4月23日発売、価格は4800円。後者は5月21日発売で、7800円。
『タイムトラップ』は、フランスの国民的ベストセラー作家、エドガー・ジャコブ氏の原作『The
Time Trap:The Adventure of Blake and Mourtimer』をもとに、日本でも数々の賞を受賞している『戦場のテディ・ベア』の製作チームが作ったマルチメディア作品。CD-ROM2枚組で、『戦場のテディ・ベア』と同じく、コミック形式でインタラクティブに読み進んでいく。マルチマー博士が乗り込んだ機械は、なんとタイムマシーンで、恐竜が徘徊するジュラ紀、戦下の中世、崩壊してしまった未来都市に次々にトリップしていく、という内容。フランスでは昨年10月に発売され、CD-ROM売上ベスト60に入ったという。
『クルセード-聖十字架を奪還せよ-』は、1183年のエルサレム王国が舞台。フランス国王の命を受けた騎士アルトーが、聖十字架を聖地エルサレムから持って帰ることができるか、というストーリーのアドベンチャーゲーム。CD-ROM3枚組で、遊びながら学んでいく“イニテイメント”作品だという。イニテイメントとは、“initiation”と“entertainment”をあわせた造語。時代考証をしっかりし、本当の歴史に基づいたフィクションで、遊んでいくうちに十字軍の知識が身につくという。フランスでは11月初旬に発売され、CD-ROM売上トップ10にランクインしたという。3週間で約1万2000本売れたというヒット作品。
この記者発表で、(株)ブレイン社長、前田俊秀氏は、「ブレインのこれからの方向性を探っていくとき、“映画のように楽しめるもの”でなければいけないのではないかと思いました。もちろん、CD-ROMから得られる情報はたくさんあるけれども……。今回発表する作品は、そういった意味ではぴったりであり、そのためこのように映画の上映会のようなプレス発表にしていただきました」と述べた。
『ルル』や『戦場のテディ・ベア』など、フランスの優れた作品が近年どんどん紹介されている。両作品は日本でもさまざまな賞を受賞し、売上的にもかなりヒットした商品だ。このようなオトナも楽しめる良質の作品が、日本にはまだまだ少ない。文化の違いもあるのだろうが、どうしても売れる低年齢層向けのゲームが多い。パソコンのユーザーの大多数を占める、アダルトではないオトナ向けの作品を日本のメーカーもどんどん作って欲しいものである。(報道局 酒寄公子)
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