(株)村田製作所は、独自構造を持つ“GaAs FET(ガリウムヒ素電界効果トランジスター)”の試作に成功したと発表した。このFETは、ミリ波帯域(周波数30~300GHz)でも動作するという。
断面は下図のようになり、ソース電極/ドレイン電極の下にSiドープGaAs、ゲート電極の下に絶縁層であるノンドープGaAs、その下にチャンネル層であるSiドープInGaAs(インジウム・ガリウムヒ素)を配置した積層構造をとっている。この構造を“絶縁ゲートドープトチャンネル構造”といい、高周波数帯域でのFETの動作を妨げていた寄生容量や寄生抵抗が低減するとしている。
また、ゲート電極には光露光方式による0.2ミリ微細ゲートを採用。110GHz以上の遮断周波数(トランジスターが単体で機能する最大の周波数)、200GHzの最大発振周波数(周辺回路の最適化によりトランジスターが機能する最大の周波数)を実現したという。
同社では、ミリ波レーダーや、高速無線LANなどの大容量高速無線データ通信などに応用できるとしている。(報道局 浅野広明)
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