米アップルコンピュータ社は、サンフランシスコで行なわれているMACWORLD
Expoで、同社のQuickTime3.0に、新技術を採用したと発表した。音声データ圧縮技術に、米QUALCOMM社のPureVoiceテクノロジーを、音楽エンコード、デコード技術にQDesign社のThe
QDesign Music Codec(QDMC)を、また、Sorenson Vision社のビデオテクノロジーを採用する。
米QUALCOMM社のPureVoiceは、音声を圧縮する技術で、さまざまなアプリケーションに利用されている。ニュース放送のような話し言葉の音声データを圧縮し、しかも普通の話し言葉のように聞こえるようにできるという。たとえばWAVファイルのようなよく使われる音声フォーマットと比べると、PureVoiceはファイルサイズを縮小し、転送速度が10倍になったにもかかわらず、高い音質を保てるという。具体的な例では、1分間のWAVファイルの音声データの場合、28.8Kbpsのモデムではダウンロードして聴くまでに7分以上かかってしまう。同じ音声データでもPureVoiceテクノロジーを使ったQuick
Time Movieのファイルだと、ダウンロードに45秒以下しかかからないそうだ。
QDesign社のThe QDesign Music Codec(QDMC)は、デジタル化した音楽データをエンコード、デコードするためのソフトウェア。この技術はデジタルオーディオファイルを、音質はそのままに、もとのサイズの1パーセントのサイズに圧縮するというもの。この技術をQuickTimeに取り込むことにより、あらゆる音楽をインターネット上に高品質で流すことができる。さらに、QuickTimeを使えば、音楽だけでなく、ビデオやアニメ写真などを組み合わせた作品をアーティストが簡単に作れることができるようになるという。
Sorenson Vision社のビデオ圧縮技術は、デスクトップビデオの画質の向上に飛躍的な進歩を示すものという。同技術は、画質の美しさを損なわずに、1秒間に30フレームまでのビデオデータを転送できるという。
アップル社はこれらの技術を取り入れることにより、ユーザーにより良い音質、より良い画質のコンテンツを速いスピードで提供できるようになるとしている。(報道局 酒寄公子)
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