ターボリナックス ジャパン(株)(以下ターボリナックス)は、8月22日ダイヤモンドホテル(東京都千代田区一番町25番地)で「Turbo Linux月例ソリューション戦略セミナー」を開催した。このセミナーは月1回の予定で行なわれ、先月から始まったもの。2回目となる今回は、ターボリナックスの業務内容および製品紹介が行なわれた。後半はLinux上のオフィススイートについての紹介をサン・マイクロシステムズ(株)、(株)メディアヴィジョン、米VistaSource, Inc.、(株)ジャストシステム、(株)アトラクスが行なった。
日刊アスキーLinuxでは、後半のLinux上のオフィススイート紹介を数回にわけてレポートしている。今回はメディアヴィジョンの「Corel DRAW」発表の模様を紹介しよう。
(株)メディアヴィジョン第1事業本部マーケティング部 有吉順氏の公演
Corel DRAWの紹介
壇上には(株)メディアヴィジョン第1事業本部マーケティング部有吉順氏が立った。まず最初に、メディアビジョンは、カナダCorelの製品「Corel DRAW」シリーズを日本国内に販売している企業であると語った。この「Corel DRAW」は発売以来、全世界で1000万本以上の出荷実績を記録し、北米でのWindows用ベクトルベースのドロー系ソフトウェアでは、約60%のシェアを持つ。欧米でCorel DRAWを採用している企業は、Daimler-Benz AG、BMW AG などがあげられ、「Euro硬貨」のデザインにも利用されたという。
Corel DRAWの用途
次に同氏は、「Corel DRAW」は、デザインだけではなくビジネスの世界でも十分に通用すると説明した。それは、
- ドローイングからページ編集まで幅広い領域をサポート
- 各種ファイル形式に対応(インポート:約50種類/エクスポート:約35種類)
- 豊富なユーティリティやクリップアート・フォトデータが付属
- プロ用のデザインツールとして使用できる高機能なグラフィック機能(14種類の機能がついているツールボックスにより、文字を立体的に表示した場合の奥行きや、色の明暗の設定などが可能)
- サイズの異なる用紙を混在した文書データ作成可能
- 同社のCorel PHOTOPAINTを同時に使用することで、ビットマップの編集が可能
という特徴があり、それをビジネスシーンにあてはめると、
- 社内向けのWebページ作成
- 文書ファイル、表計算ファイル、CADファイルなどを併用した文書作成
- 画像データを使用したカタログ
- いろいろなイラスト付きのプレゼンテーション資料作成
- A4やB3など、ページサイズの混在した社内用のマニュアル作成
といったさまざまな用途に活用できるからだという。
Linuxのクライアント利用におけるポイント
さらに同氏は、今後、LinuxをクライアントOSとして普及させていくためには、アプリケーションの充実が必要だと述べた。しかし、ただ単にアプリケーションが多数存在していても、以下の項目をおさえておかないとなかなか受け入れられないという。その項目は、
- ビジネスに結びつくアプリケーションラインナップの構築……Linux移行への促進
- Windows系データとの互換……既存のデータの再利用
- コストパフォーマンスの充実
- さまざまなネットワークとの親和性
という4点であるが、Corel DRAW 9 For Linuxはこのすべてに当てはまるアプリケーションであるという。
Corelのリリースプラン
最後に、Corelのリリースプランが発表された。それによると、
2000年8月末
- Corel DRAW 9 For Linux (英語版) ……北米にてリリース予定
2001年初頭
- Corel DRAW 9 For Linux (日本語版)
などが計画されているという。
また、Linuxで動作するCorelのアプリケーションとして、
- Corel PHOTOPAINT 9 for Linux (英語版) ……CorelのLinux製品サイトhttp://www.corel.com/からフリー版をダウンロード可能
- WordPerfect Office 2000 for Linux (英語版) ……Standard版、Deluxe版が北米で販売中
という製品がある。
WordPerfect Office 2000 for Linux (日本語版) については、Corel DRAW 9 For Linux (日本語版)のリリースよりも、今のところあとになりそうとのことだ。