デジタルファクトリ(株)は、デスクトップユーザー向けのディストリビューション「Kondara MNU/Linux 2000」を9月8日から発売する。標準価格は1万2800円、アカデミック版が8900円。
これは、ボランタリなプロジェクト「Kondara Project」が公開している「Kondara MNU/Linux 1.2」を、デジタルファクトリが商用ソフトなどをバンドル、製品化したもの。今回は新たにデスクトップ環境GNOMEの最新バージョン「GNOME 1.2」を搭載し、Intelのi810/i815チップセットに対応した。
新機能としては、新たに開発されたサウンドドライバ「ALSA」のサポートや、高性能ファイルシステム「ReiserFS」の導入が挙げられる。ReiserFSは、Hans Reiser氏らが開発するフリーなファイルシステムで、メタデータの更新を随時記録する「ジャーナリング」機能により、システムクラッシュ後の長時間かかるファイルシステム整合性チェック(fsck)を必要としないのが特徴だ。このため不慮のトラブルでもダウンタイムを最小限にとどめることができる。またメタデータの管理方法が改良されているため、1つのディレクトリに多数のファイルがある状況では顕著にパフォーマンスが向上する。
ReiserFSは、Linuxカーネルの改良方針の違いなどによりまだ本家のカーネルには取り込まれていないが、SuSEやMandrakeなどはすでに独自に採用している。Kondaraもサーバ版では採用していたが、日本語スタンダード版としてはこれが初めてだ。
Kondara MNU/Linux 2000では商用ソフトウェアのバンドルが強化された。次のアプリケーションが収録されている。
- ダイナラブ・ジャパン(株)のTrueTypeフォント「DynaFont」5書体
- オムロンソフトウェア(株)のかな漢字変換システム 「Wnn6 Ver.3 (Intel版/Alpha Systems版)」
- オムロンソフトウェア(株)の和英・英和翻訳ソフト 「翻訳魂」
- (株)ジャストシステムのワープロソフト 「一太郎Ark体験版」
- エクス・ツールス(株)の3D CGソフト 「Shade体験版」
- アドビシステムズ(株)のPDFビューア 「Acrobat Reader」
- (株)インディゾーンのオフィススイート 「ThinkFree Office」
- (株)ソフトボートのマルチブートユーティリティ 「System Commander Lite」
製品概要は次のとおり。
- Linuxカーネル2.2.16
- glibc 2.1.3
- ALSA 0.5.8
- XFree86 3.3.6 + X-TT 1.3
- KDE 1.1.2
- Enlightenment 0.16.4
- Sawmill 0.26
- gcc 2.95.2
- GTK+ 1.2.8
- Ruby 1.4.4
8月18日から9月7日までは発売記念キャンペーンとして、同社のWebまたは販売店において先行予約者全員にオリジナル携帯ストラップをプレゼントする。同日にジャストシステムから発売される「ATOK X for Linux」と一括購入した場合は、「お楽しみ袋」をプレゼントするという。