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LinuxWorld Expo/Tokyo 2000レポート――米ThinkFree.com、Javaベースのオフィスソフトウェア「ThinkFree Office」を発表

2000年05月14日 00時00分更新

文● 沖中弘史

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 2000年5月11日、12日の2日間、「LinuxWorld Expo/Tokyo 2000」が東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された。参加社は85社で、入場者数は2日間合計で2万4193名。2日目の12日、米ThinkFree.comは、「ThinkFree Office」Linux版についての発表を行なった。

 「ThinkFree Office」は、Javaを使用し、Web上での活用を前提に開発されたオフィスソフトウェア。Windows 95/98/NTに対応する「Microsoft Office」とファイル互換性を持つ。開発は米ThinkFree.com。国内でのサポートは(株)インディゾーンが行なう。

「ThinkFree Office」画像
「ThinkFree Office」のファイルマネージャ「Folders」。画面は、Windows版のもの

 米ThinkFree.comが2000年の2月に発表したWindows版は、20万を超えるダウンロードがあったという。また、2000年の4月にはLinux版を公開し、今後は、MacOS、FreeBSDなどにも対応してゆく予定だという。(株)インディゾーンでは、現在同製品の日本語化を行なっている。

「ThinkFree Office」に含まれるソフトウェア

  • Write: 「Microsoft Word」と互換性のあるワードプロセッサ/HTMLエディタ
  • Calc: 「Microsoft Excel」と互換性のある表計算ソフトウェア
  • Show: 「Microsoft PowerPoint」と互換性のあるプレゼンテーションソフトウェア
  • Mail: IMAP4/POP3に対応したメールクライアント(「Microsoft Outlook Express」に相当)
  • Contacts: LDAPをサポートした住所録
  • Folders: ローカルマシン上のファイルや、米ThinkFree.comが提供するインターネット上のファイル、ディレクトリを操作、管理を行うファイルマネージャ(「Explorer」に相当)

「ThinkFree Office」の利用方法

  • 米ThinkFree.comのWebサイトでサインアップ(無料)
  • ダウンロード(自動)
  • ダウンロード終了とともに、同製品のファイルマネージャ「Folders」が起動
  • そのほかのソフトウェアは「Folders」から起動可能

 サインアップした時点でインターネット上のファイルスペース20MBが提供される。同製品はオフラインでも利用可能だが、起動するためには米ThinkFree.comのWebサイトにログインする必要がある。つまり、起動するためにはいったんオンラインにしなければならないということだ。ログインして、パスワードが確認されれば、オフラインモードでの利用が可能となる。また、ログインするごとに同製品のバージョンが確認され、もし更新されたアプリケーションがあった場合は自動的に更新される。

 利用の例としては、会社で途中まで作成したドキュメントを、インターネット上のファイルスペースに保存し、自宅や出張先でドキュメントを完成させる、などということが考えられる。

 このような利用形態により、インターネットに接続可能でさえあれば、場所や、プラットフォームに依存せずにオフィスソフトウェアが利用可能になるという。

 現在、国内では、6月30日に発売予定の「LASER5 Linux 6.2」にバンドルされることが決まっており、海外でも米Transmetaや米America Online、米Appleなどと交渉中。パッケージ販売の予定はないという。また、収入源としてWebサイトでの広告などを考えているが(個人での利用は無料)、今後の展開として、ISP、ASPなどへのサービスや、企業でのサイトライセンスなどを収入源とすることも考えているという。

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