今まで見てきたように、Kondaraは最新のソフトウェアを備えた魅力的なディストリビューションだ。とはいえ、まったくの初心者には厳しいところもある。たとえば、Kondaraをインストールした初期状態では、EmacsでCannaによる入力ができないようだ。これは、Emacsの設定ファイル“.emacs”のスケルトンが、PJE (SlackwareまたはRed Hat Linuxに対応した日本語アドオン・パッケージ集。もう1年以上、更新されていない) についてきたサンプルで、Kondaraの現状にマッチしていないからである。いままでLinuxを使ってきた人ならば、自分の.emacsを流用することも可能なのだが、初心者ユーザーにそれを求めるのは厳しいだろう。
とはいえ、今後も開発が進むことから、そのような問題は次第に解決されていくと思われる。たとえば、GNOMEが付属しないことについても、Kondaraの「GNOME野郎Aちーむ」の活動によって、すでにスナップショットではGNOMEを使うことが可能になっている。KDEについても、よりよいKDEを素早くKondaraに採用すべく「北斗のK」が結成されたので、これについても改善が期待できるだろう。
もし読者がKondaraプロジェクトに加わりたいのであれば、Kondaraの開発メーリングリストに入って、「Kondara引きの手引」を読むといい。
最後になるが、Kondaraの評価をリストにまとめておく。
利点:
- 多くの最新ソフトウェア
- コミュニティによる迅速な開発、企業によるサポート
- Alpha用のバイナリが付属
- 6800円と安価
欠点:
- 初期設定が万全ではない
- GNOMEが付属しない (スナップショットからインストールすることはできる)
- Enlightenmentのメニューなどが日本語ではない