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COMDEX/Japan'99講演 OpenLinux for Business

1999年11月14日 00時00分更新

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 11月12日、12時から、国際会議場(幕張メッセ内)において、米Caldera SystemsのAsian Pacific Regional Director、Ken Bergenthal氏の講演「Open Linux for Business」が行なわれた。Caldera Systemsは(株)ネオナジーと提携して、11月27日より「OpenLinux2.3 日本語版」を発売すると発表している。

 講演ではCaldera SystemsのOpenLinux開発方針、そしてLinux戦略についての説明があった。

Ken Bergenthal氏
Ken Bergenthal氏は日本語が堪能なため、通訳抜きで日本語による講演が行なわれた

 まず、インターネットに接続されるサーバからPalmPilot、そしてスキャナまでのさまざまな機器について、すべては「インターネットデバイス」である、とした。そして、インターネットデバイスは非常に役に立つものであるが、それらすべてを管理することは現在は困難であり、Caldera Systemsはそのためのソリューションを提供する、と語った。

Caldera SystemsのOpenLinux開発方針

 Caldera SystemsではOpenLinuxの開発において、「使いやすいコンピューティング」を目標にしているという。そのためのアプローチの1つは次のようなもの。

 まず、ディストリビューションに同梱されるソフトウェアを厳選すること。CD-ROMが7枚、8枚と大量につき、数千のパッケージが含まれるディストリビューションがあるが、Caldera Systemsでは、CD-ROMは2、3枚とし、すべてCaldera Systemsでテストした数百のパッケージを入れる。これにより、大きな組織で使う場合にも、ユーザーがどのソフトウェアを使うべきか迷うこともなく、また、LANの管理者もどのソフトウェアが使われているのかを把握できるようになる、とのこと。

 そして、Linuxの上にCaldera Systemsがソフトウェアを追加し、そのあと、追加されたソフトウェアをオープンソース化する、という。

 また、オープンな環境を重視し、開発はJavaで行ない、LSB(Linux Standard Base)に参加し、各ディストリビューションにおける相違をなくすべく努力している、とした。

 そのほかにCaldera Systemsが重要視するキーワードとしては、「カスタマイゼーション」、「最適化」、「マイグレーション」、「サーティフィケーション」があるという。

Caldera SystemsのLinux戦略

 Linuxは、今後e-Businessを展開するためのソリューションであり、Linuxの特徴は安定していることと、低コスト、としながらも、すぐに昔からあるサーバを置き換えるわけではない、とした。

 ただし、安定性とカスタマイズ性の2点から見て一番優れているのはLinuxであるとし、今後、着実にサーバ市場に食い込んでいくというビジョンを語った。

 Caldera Systemsの調査によると、82%のVARがLinuxを扱うことを検討していて、そのうち48%はLinuxについての経験はないという。そのためLinuxについての教育は急務であり、教育についても力をいれていくという。

 Caldera Systemsは現在、世界中に27の教育センターを持っている。そして、そのプログラムの中には開発、管理者、SI向けといったものもあり、2、3カ月の間には20種類以上のコースを提供するという。それらの教育コースも日本語化し、来年初頭から日本でも提供する、という。

 販売戦略に関しては、Caldera Systemsはパートナーを大切にし、直販はしないという方針を語り、現在全世界に850のリセラーが存在し、そのリセラーに対する、ビジネスの方法に関するものを含む教育体制が整備されている、とした。

 最後に、Caldera Systemsは一般的なサーバ、クライアントはもちろん、アプリケーションサーバについてのソリューションをパートナーと一緒に提供していく、と結んだ。

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