「Linux World速報」は、普段日刊アスキー Linuxでコラム「ソフトウェアベンダーから見たLinux」を執筆中の宮原 徹氏に現地の模様をレポートしていただきます。
み。です。
時差の関係でお伝えできなかった、Linus Torvalds氏の基調講演のようすをお伝えします。
8月10日(火) 18時30分
今回のLinus氏の基調講演は前回と同じく、夕刻から始まった。まず最初に壇上に上がったVA LinuxのLarry Augustin氏から会場へ、「この中でオープンソースソフトウェアに対してcontributeしたことのある人は?」という問いかけに対して、数十名の手が挙がった。会場からは彼らに対して惜しみない拍手が送られた。さらにAugustin氏は「この中でMicrosoftのソフトウェアにcontributeしたことのある人は?」という問いかけには、失笑が漏れた。このような雰囲気の中、Linus氏が紹介された。
Linus Torvalds氏 |
技術的な話をするのが一番エキサイティングだから、今日は技術的なアップデートをするよ、と話を切り出し、Linus氏はまずカーネル2.2.11のリリースを報告した。このリリースから管理がAlan Cox氏に引き継がれていることもあって「自分はうまくリリースできるようにと祈っただけ」とおどけて見せた。
さらに、現在話題になっている次の安定バージョン2.4の話になった。数週間以内にスペックをリリース、実際には4カ月後(12月?)をターゲットにソフトウェアリリースを行ないたいとのこと。2.0と2.2のリリース間隔よりも短いが、これは大幅な変更を行なわず、安定性や高速化、2.2での積み残しなどを行なうためとのこと。順調に行けばLinuxユーザーにとって楽しみなクリスマスプレゼントになるかもしれない。
このあと、聴衆とのQ&Aセッションとなった。非常に多くの、かつ突っ込んだやり取りが行なわれた。考えようによってはキーノート「スピーチ」ではないような気もするが、これもまたハッキングが好きな、それこそOSSに対するcontributeを行なっている場の雰囲気にぴったりなのかもしれない。
Q&A終了後、前回のLinuxWorld Conferenceに引き続き、コミュニティに貢献した個人・グループを表彰する「Community Award」の発表が行なわれた。今回は「フリー」の代表者ともいえるFree Software Foundationが表彰された。壇上に上がったRichard Stallman氏はまたいつものようにGNUの始まりとフリーソフトの意義を語り始めたが、壇上に上がってはしゃぎまわるLinus氏の子供達に毒気を抜かれたのか(笑)、話をほどほどのところで切り上げて、賞金である2万5000ドルを受け取った。
Richard Stallman氏 |
受賞のようす |