渋谷の井の頭通り、東急ハンズから少し渋谷駅方面に歩いていったところに、「Linux Plaza」と書かれた大きな看板が出現した。
パソコンユーザーにはなじみの深い秋葉原ならまだしも、よりによって渋谷に「Linux」とは? 当サイトでは、早速調査を開始した。
この先100メートルほど進むと、赤い「Linux Plaza」と書かれた看板が見える。実は、看板はいったん撤去する予定とのことで(看板に記載している情報に変更があるため)、新しい看板ができたら改めて撮影させてもらうことにした |
まずはインターネットから攻めてみよう。検索エンジンを使い、「Linux Plaza 渋谷」といったキーワードで検索すると、ログシステム(http://www2.logsys.ne.jp/)のSelfmade教室ページに行き当たる。そこからさらにリンクをたどると、本体のWebページ(http://www.logsys.ne.jp/)にたどり着く。このログシステムこそ、Linux Plazaの運営元で、オーダーメイドのPC作成をはじめとした、自作派のためのインターネット上のコンピュータショップなのである。ほかのパソコンショップと違うのは、自作したい人向けに、一緒になってスペックやパーツを考えたり、ノウハウを提供しつつコンピュータを構築していくところだ。パーツを売ったり安く仕上げたりといった、ショップとしての業務も当然だが、それよりも「お客さんのスキルアップを手助けする」ことに重点が置かれている「自作教室」なのだ。お客さんと何回もやりとりをし、納得のいくマシンを仕上げていくことにより、お客さんも相応の知識を身につけることができるのである。
そして、そのログシステムのコンセプトを、インターネットから実際の店舗に持ってきたのが、Linux Plazaなのだ。今回取材を受けてくれたのは、ログシステムの“塾長”で、近代産業(株)代表取締役社長 金子光裕氏だ。
Linux Plaza/ログシステム塾長の金子光裕氏(左)と、主任の田澤健二氏(右) |
金子氏は現在40代。小学生の時から秋葉原通いを始め、アマチュア無線などに凝っていたという。大人になってからは、飲食関連の近代産業に入社し、仕事では電機関連に関わってこなかった。しかし、三つ子の魂百までではないが、「アキバ」の楽しさは忘れられない。Windows、Windows NTやLinuxなどを、PC自作を主体として楽しむことに。そしてログシステムやLinux Plazaが生まれたのである。
店内は前述のとおり、渋谷の真中に位置しながらも内装はログハウスといった、まさに自然派の趣だ。15人程度ならゆっくりとくつろげるといった広さで、16坪の面積がある。設置してあるコンピュータは、iMacが2台、PCが7台となっている。では、具体的にどういったサービスを行なうのだろう。
まだ店内改装中だったため、並んでいるPCも少ないが、手作り棚の雰囲気はわかってもらえるだろう。PCが乗っている板の底には車輪が付いており、ゴロゴロと引き出すことができる。手作りならではの工夫だ |
iMacも設置。この棚は、大人10人が乗っても大丈夫なほどの強度があるとのこと |
インストール体験に関しては、Linux Plazaで売っているハードディスクを買い、設置マシンに接続してインストール後、持ち帰ることもできるという。料金は、インターネットカフェとして使うには1時間1000円、技術的な質問や相談がしたい場合は、1時間5000円から1万円(質問のレベルによって違う)で受け付けてくれる。母体の近代産業が飲食店を経営している関係もあり、大人数での講習会場も用意できるという。「お店」というよりは、好きな人が集まるサークルの場、といった趣がそのコンセプトから漂ってくるLinux Plaza。開店は9月1日予定とのことだが、今後どういった展開になっていくか楽しみだ。