ユーザーの操作による検索+学習効果でレコメンド
「gooとユーザーが対話しながら選んでいくような感覚」とNTTレゾナント取締役シームレス事業部長の大町雄一氏が表現するコンテンツナビゲーションシステムは、他のレコメンドエンジンとは違い、ユーザーに直接的・主体的なアクションを求めるものだ。イメージとしては、“検索結果のパーソナライズ”に近い。
たとえば、実証実験で公開されている「シネマ・コンプレックス」の場合、始めに簡単なプロファイルを登録するところからユーザーのアクションは始まる。「年代」「男性」といった大まかな設定をすると、その設定に合った映画がピックアップされ、画像で表示される。
ただ、このとき勧められるのは、「10代」「女性」といった単純な設定に合わせた、ごく一般的な“決め打ち”のリスト。ここから先は、ユーザー自身が条件を設定して自分で絞り込んでいくことになる。
たとえば、「笑える」映画が観たい気分だとする。このとき、メニューから「ムードを選ぶ」をクリックすると、キーワードが並ぶツリー図が表示される。その中から「笑える」を選ぶと、感性解析で「笑える」と評価されている作品と、ユーザープロファイルとの組み合わせによって、オススメの映画がピックアップされる。条件は複数設定が可能で、どの条件を優先するかの重み付けもユーザーが設定できる。
さらに、条件からピックアップされた映画をその後、実際に視聴したか、詳細ページを確認したか、といったユーザーの行動を自動的に記録。レコメンド結果がユーザーの嗜好により近づくように、チューニングされていく。「ぐにゅナビは、その人に合わせて“学習”する。使えば使うほど精度が上がっていく」(NTTレゾナント担当者)という。履歴はCookieに保存する。
今後の展開について両社は、「実証実験の反応や有効性の検証を持って検討する」と説明している。たとえば映画以外にも書籍や音楽CDなど、他のジャンルの商品でも同様の仕組みが構築できる。これが一般公開されれば、これまでとはちょっと違った探し方ができるユニークなECサイトが作れるようになるかもしれない。