Z指定にあたる内容でも
ほとんど変更していません!
――今回はZ指定のタイトルのローカライズとなりましたが、表現の翻訳で苦労された点はありますか?
吉田:国によって許容される範囲が違うため、その部分には非常に気をつかいました。先ほどのユーモアの部分も文化差のある部分ですが、Z指定にあたる残虐な表現やセクシャルな部分にも文化差があるので注意しています。ただ、それらを全部修正してしまうと、ゲームとしての魅力が薄れますし、かといって不快感を与えるような内容も良くないと思うので、さじ加減は難しかったと思います。
――海外版では、具体的にはどの辺が過激でしたか?
吉田:日本語版では修正していますが、原文には弱者をからかう表現がありましたね。
山沢:影の寺院に入信するシーンについてで弱い者いじめを連想させるような過激な表現があったのですが、日本語版では、「傷口に塩をぬる」という若干控えめな表現に修正しています。
吉田:暴力的な部分に関しては、原文に近くマイルドな言い回しにはしていないんですが、ブラックジョークというか、プレイヤーに不快感を与えるような言い回しには、特に気を使っています。
「職場=レコーディングスタジオ」
「楽しみ=お弁当」という毎日
――マニュアルを見る限り、かなりの人数の声優さんが関わっているように思いますが、起用した声優さんの人数は全部で何人になりますか?
吉田:声優さんは全部で53人です。メインキャラの人は固定ですが、NPCを担当している人は複数の掛け持ちをしている場合もあります。分かりやすい部分では、吟遊詩人とストーリー テラーが同じ人ですね。ただ、掛け持ちは多い人でも5~6キャラです。
――53人が数キャラ担当していると考えても、レコーディングにかかる時間がすごいことになってそうですね
吉田:レコーディング期間は2008年の6月から8月までの丸々2ヵ月で、ほぼ毎日朝から晩まで作業していたんですよ。
――マジですか!(笑)
吉田:頑張りました!(笑)
――並行して、録音したんですか?
吉田:最初はそれも考えたのですが、今回はひとつのスタジオを貸し切って、同じスタッフでやりました。だいたい朝の10時から夜の8時くらいまで毎日スタジオに入るというか、出勤していましたね(笑)
山沢:土日返上で録音していた時もありました。
吉田:当時はホントに大変で、楽しみがお弁当しかなかったですから(笑) 翻訳の方は2008年4月から始めたのですが、翻訳しながらレコーディングするという状態だったため、翌日録る台本を前日に用意するという自転車操業でしたね。
――うはぁ、大変だ!
(次ページへ続く)
ASCII.jpの最新情報を購読しよう