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E-3の弟分にして芸術家肌、オリンパス「E-30」

2008年11月05日 17時13分更新

文● 小林 久/トレンド編集部

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 オリンパスから、中級クラスの一眼レフ機「E-30」が12月20日に発売される。フラッグシップの「E-3」と、エントリークラスの3桁台の機種の間を埋める製品で、本体のみ15万円前後、新発売の「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」が付属するレンズキットが20万円前後になる見込み。

E-30

E-30にZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 IIを組み合わせたところ

E-30

背面の液晶ディスプレーの稼働域は非常に広い

 イメージセンサーは新開発の有効1230万画素のLive MOSセンサー。ライブビュー対応のフリーアングル液晶ディスプレーのサイズも2.7型(23万ドット)に大型化した。最大5段のボディー内手ぶれ補正や、毎秒5コマの連写性能、最大1/8000秒、1/250秒シンクロのシャッター速度といった基本機能をE-3から継承。ライブビューにも対応する。一方でコストに直結する防塵防滴性能やファインダー視野率(98%、1.02倍)といった部分の性能は落とし、小型軽量化を果たした。

 画像処理エンジンは最新のTruPic III+に進化。低輝度側の階調をキープしながら、白トビを防ぐといった画質面での改善が得られる。



アートフィルターで、写真家気分


 今回の目玉と言えるのが、アートフィルターの機能。「ポップアート」「ファンタジックフォーカス」「デイドリーム」「ライトトーン」「ラフモノクローム」「トイフォト」の6種類の絵作りが選べる。例えば、ファンタジックフォトであれば、髪の毛や花びらのディティールを生かしながら、自然な光に包まれたような幻想的な画、トイフォトであれば、わざと周辺光量を落とし、異世界に迷い込んだような秘密めいた雰囲気を表現するといった独特の効果が得られる。

E-30

記録メディアにはCFカードを使える

 一般的なシーンモードとの違いは、色の飽和なども考えず積極的な画像処理を実施している点。コンパクト機から一眼レフ機にステップアップする層が撮りたいと思う、写真集のような表現、アーティスティックな写真を手軽に撮れる点にこだわっている。撮影前にしかフィルター設定できないことや、JPEG撮影時では通常撮影の出力が保存されない(RAW+JPEGを選択することである程度カバーできる)などの改善要望点もあるが、一般的な失敗の少ない写真、印象にマッチした写真とは異なり、作品を撮るカメラというポジショニングを取っているのは面白いアプローチだ。

 また、一般的な3:2や16:9のほかに、6:6、5:4、7:6、6:5……など中判や大判フィルムで用いられている縦横比が選べる。多重露光やマルチアスペクト撮影にも対応する。コンパクト機などで搭載機種が増えているデジタル水準器の機能も搭載。左右のズレ(roll方向の傾き)に加え、あおり方向のズレ(pitch方向の傾き)も確認できる点がウリ。

 本体サイズは幅141.5mm×奥行75×高さ107.5mmで、重量は655g。E-3と比べると高さ方向が大きく減り(約9mm)、重量も155g軽量化している。

縦位置グリップを装着したところ

内部カット

 なお、E-30の発表に合わせて交換レンズ「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」も発表された。従来の14-55mmの光学系を継承しつつ、コントラストAFに対応した。7枚羽根の円形絞りで、SWDには対応しない。価格は8万3000円で、E-30のレンズキットとしても選択できる。

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