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SSD&Atomの実力やいかに!?

Eee PCの牙城崩す?Inspiron Mini 9の実力

2008年09月16日 22時00分更新

文● 小浜雅胤/トレンド編集部

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 「Inspiron Mini 9」は、PCメーカー世界最大手のデルが満を持して投入した同社初の低価格ミニノートだ。

 8.9インチワイド液晶(1024×600ドット)や1GBメモリーなどを搭載する点は、インテルの低消費電力CPU「Atom N270」(1.6GHz)搭載のNetBookとしては平均的。むしろ携帯性の良さやバッテリー駆動時間の長さといったモバイルPCとしての基本が充実しているのが特徴だ。

 他のNetBookと異なり、OSやSSD容量の違いで3種類の基本パッケージから選択できるほか、BTOで、よりキーピッチの広い英語キーボードを選べるのが魅力。今回はミドルレンジのプレミアムパッケージを取り上げ、NetBookとして買いなのか? 足りない部分はどうすれば補えるのかをチェックしてみたい。

凹凸のないスッキリとしたボディーは剛性が高く、無造作に持っても歪んだり、軋んだりしない
液晶は光沢のあるタイプ。屋内外どちらでも視認性はいいが、周囲の映り込みがやや気になる
ACアダプターとコード 携帯電話の充電器のように、ACアダプターとコードが一体となっており、軽量かつコンパクト
表 Inspiron Mini 9スペック表
モデル名 Inspiron Mini 9
ベーシック
Inspiron Mini 9
プレミアム
Inspiron Mini 9
プラチナ
直販価格 4万9980円 5万7980円 6万4980円
CPU Atom N270(1.6GHz)
メモリー 512MB 1GB
SSD 4GB 8GB 16GB
ディスプレー 8.9インチワイド(1024×600ドット)
ウェブカメラ ── ──
無線通信 IEEE 802.11b/g IEEE 802.11b/g
+Bluetooth 2.0
バッテリー寿命 公称3時間40分
サイズ(W×D×H) 232×172×31.7mm
(最薄部27.2mm)
重量 1.035kg 約1.1kg
OS Ubuntu 8.04
(デル版)
WIndows XP Home Edition SP3
カラー パールホワイト
オブシディアンブラック


低価格NetBookの中で最小、最軽量


 シンプルで飽きのこないデザインもさることながら、Inspiron Miniの最大の魅力は、低価格NetBookの中で最も軽量かつコンパクトな点だ。

 本体は約1kg、ACアダプター一体型のコードを合わせても約1.2kgほどと軽い。周囲に丸みを持たせたボディーは手に持ったときのバランスがよく、低価格とは思えないほどしっかりした剛性感がある。片手で抱えても重さを感じず、厚さも3cm前後と均一なのでカバンに入れてもかさばらないのがいい。

 言うまでもなく、サイズと重量はあとでどうにかなるものではない。携帯性を重視する人にとっては、この携帯性のよさだけでもじゅうぶん「買い」だ。



バッテリーの持ちは期待以上


 ここまで軽量コンパクトでありながら、スタミナを犠牲にしていない点がInspiron Miniのスゴさだ。実際にバッテリーの連続駆動時間を測定したところ、公称値の約3.7時間に迫る約3.5時間という結果を記録した。同じ条件だと多くのNetBookはせいぜい2時間程度で電池切れになるので、Inspiron Miniの方が2倍近くもスタミナがあるという計算になる。

 なにせ電池の減り方が緩やかで精神衛生上よろしいし、前述のように電源コードが軽量なので、外出時に持ち歩くようにすれば「終日モバイル」も夢でなくなる。今回は比較的厳しい条件での測定だったが、バックライトの輝度を暗くするなどの節電を励行すれば、さらなる駆動時間の延長が期待できそうだ。

※「BBench」(作者:海人氏、フリーソフト)を使用し、1分おきにウェブ巡回、10秒間隔でキー操作をそれぞれ自動で行なった場合の標準バッテリーパックの連続駆動時間を、無線LAN(IEEE802.11g)環境で測定した。液晶輝度は最大。電源プランは「ポータブル/ラップトップ」



キビキビとした動作


 全体の挙動はじつにキビキビとしており、使っていて気持ちがいい。試しに付属ソフトなど30本を起動し、同時にIEのウィンドウを30枚開いてみたが、CPU使用率は常時30%程度できわめて安定している。ウィンドウの切り替えなどもじつにスムーズだ。1世代前のUMPCではコマ落ちがひどくてまともに観られなかった「YouTube」や「ニコニコ動画」なども快適に視聴できる。

 ただし、ソフトやウィンドウを複数開いた状態でGoogle Earthのような重たいソフトを動かすと、まれにメモリー不足の警告が表示されることがある。その場合はソフトもしくはIEのウィンドウのどちらかを半数の15個程度に減らせば問題なく使える。いずれにせよ実用上はじゅうぶんな処理能力と言えるだろう。



不満3兄弟はどうにかなる?


 NetBookとしてはおおむね「買い」だが、実際に買うとなると不満な部分も見えてくる。それが以下の3点だ。

  • 1024×600ドットの液晶解像度
  • 8GBしかないストレージ容量
  • 5段キーボードがゆえの変則配列

 いずれも根本的解決は難しいが、効果的対処療法はある。

 液晶解像度の低さは、タッチパッドの「上下左右スクロール」で補える。この機能を使えば見たい場所をすばやく探し出せるので、例えばウェブページ全体を見渡せなくてもさほどストレスは感じない。

上下左右スクロールの設定画面は「コントロールパネル」→「マウス」→「Dellタッチパッド」タブ→「スクロールの設定」で呼び出せる。スクロール領域の広さや速度などを変更できる

 本体のストレージ容量を増やすことにこだわるのであれば、BTOで16GBのSSD(4200円追加)を選択するか、あるいは思い切って上位モデルの「プラチナパッケージ」(実売価格6万5000円前後)を購入するかだ。Inspiron MiniじたいはSSD交換に対応しているが、残念ながら現時点では市販の大容量SSDはInspiron Miniに対応しない。

デルのサポートサイトでは、SSDの交換方法を解説した「Dell Inspiron 910 Service Manual」(英語のみ)を公開している(http://supportapj.dell.com/support/edocs/systems/ins910/en/sm/ssd.htm#wp1109848)

 無料のオンラインストレージを活用するという手もある。以下のサービスを全部利用すれば計14GBにもなる。オススメは、マルチプラットフォーム対応で使い勝手のいい「Dropbox」だ。

「Dropbox」のインターフェース。ローカルとウェブの両フォルダーにタスクバーからすばやくアクセスできる。エクスプローラと同じ要領で操作できるので分かりやすい

 Inspiron Miniのキーボードは、他のNetBookより1段少ない5段配列になっている。そのため、通常は最上段にあるはずのファンクションキー(F1~F10)が3段目の(A~+)キーに割り当てられている。ふだんF7でカタカナ変換をしている場合などはかなり不便になる。

 この変則的なキー配列には、BTOで選択可能な英語キーボード(追加料金なし)や、オンラインソフトによるキーの入れ替えで対処できる。英語キーボードを選択するとキーの個数が減るので、そのぶん個々のキーサイズは大きくなる。日本語キーボードでは右端から3番目に配置されている右Shiftキーが、キーボードの右端に移動し、全体に打ちやすくもなる。ファンクションキー問題については、「KeySwap」などのユーティリティーを使い、ふだん自分があまり使わないキーと機能を入れ替えてしまえばいい。

日本語キーボード 英語キーボード
日本語キーボードと英語キーボードをBTOで選択可能。日本語キーボードのキーピッチは15.6mmだが、英語キーボードを選択すると17mmになる
「KeySwap」(http://www.asahi-net.or.jp/~ee7k-nsd/、フリーソフト)を起動したら、実際のキー(キー名)にどんな機能(変換キー名)を割り当てたいかを指定していく


総合力ではトップクラス


 デザインがよくて、持ち運びやすくて、スタミナがあって、キビキビ動くInspiron Mini。そのままでもNetBookとしてじゅうぶん通用するが、ちょっと工夫すればモバイルノートとしても割とまともに使える。数あるNetBookの中でも「携帯性」をはじめとする「総合力」の高い機種を求めている人にオススメだ。

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