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山谷剛史の「中国IT小話」 第31回

逆転的発想? 中国の地下鉄の妙を見た!

2008年08月22日 08時55分更新

文● 山谷剛史

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 中国の地下鉄がアツイ。北京オリンピック真っ最中なので北京の地下鉄かと思いきや、実は上海の地下鉄の話題だ。

宜山路駅

宜山路駅。今回はITと言うよりは、モバイル!?の話

 上海も北京同様地下鉄の建設ラッシュとなっていて、次々に新路線が開業しているが、そんな中日本の地下鉄では見られない妙な状況が発生している。その状況は、日本とは逆転的発想にして、「それって逆に不便じゃね?」とも思える発想だ。



路線がないのに切符は売る、そのカラクリ


 上海では、1号線、2号線、3号線、4号線、5号線、6号線、7号線、9号線の8路線がある。この9号線は郊外の都市とを結ぶ路線であり、環状線である4号線との乗換駅である。乗換駅は「宜山路」という駅だが、その駅周辺は上海の繁華街とは言いがたい。

自動きっぷ販売機

自動きっぷ販売機。タッチパネル式だ

 小難しく書いたが、東京であれば例えば日暮里であり、大阪であれば新今宮のようなポジションの駅だと思っていただければ。

券売機

9号線の駅が目的駅なら9号線をタッチし、さらに9号線の目的駅をタッチする

路線図

駅の路線図を見ると……

 写真の通り自動切符販売機では、9号線から環状線などを通って地下鉄全線のきっぷが買えるのだが、その9号線の終点で乗換駅の「宜山路」駅と9号線の宜山路駅の隣駅「桂林路」駅の間はまだ開通していない。工事中なのである。

 それは地下鉄路線図にも描かれてあり、宜山路と桂林路の間は線ではなく点々で描かれている。

 工事中で未通なのに、その区間をまたいだ切符は販売されている。中国の地図サイトや紙媒体の地図を見ると、未完成の高速道路や地下鉄ができたものとして描かれていることがよくある。が、未完成の路線の切符を買ってしまい、本来の運賃より多く払ってしまうと、詐欺じゃないかと感じてしまう。

 ところが「路線は未完成」で「その部分の切符が販売されている」にも関わらず、それは詐欺ではない。そのカラクリを次ページで紹介しよう。

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