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エンコードテクニック虎の巻 第4回

ビットレートで画質を調整! CBRの秘密!【固定ビットレート編】

2008年06月10日 23時00分更新

文● 藤山 哲人

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ビットレートからファイルサイズを計算する

 ビットレートの感覚がだいぶ掴めてきたところで、ファイルサイズの計算をしてみよう。
 がしかし問題がある。ビットレートは、0か1かを示すビット単位の情報だが、ファイルサイズはB(バイト)単位である。これの変換は実に簡単!

 〔ビット〕÷8=〔B〕

 8MbpsのADSL回線なら8Mビット/秒(bpsはbit par second=bit/s)なので、B単位に直すと8M÷8で1MB/秒となる。
 もし10秒ダウンロードを続けたら、そのファイルサイズは10MBだ。
 ムービーもまったく同じ。ムービーのビットレートしてよく使われる1000kbps(=1Mbps)で計算してみると、

 1秒当たりのデータ量は、1000k÷8で125kB。

 番組の尺が30分なら、秒に換算すると1800秒。

 125kB/秒×1800秒=225,000kB

 つまり225MBのムービーができる計算だ。でもこれは映像のみのファイルサイズ。
 実際には音声も記録されるので、音声のデータ量も計算しなけりゃならない。音声のビットレートを192kbpsとすれば毎秒24kB。30分なら43200kB(≒43MB)。
 映像と音声を合わせると、出力されるムービーのファイルサイズは268MBとなる。
 インターネットの大海を流れている30分アニメ番組のムービーが、だいたいこのぐらいのサイズになっている秘密がここにある(笑)。
 さて長々と理論を説明したが、実際にはGoogleで「ビットレート計算機」を検索すればOK!(タハハ……。技術解説なんてソンなもん)
 ビットレート計算機に映像と音声のビットレートを入力し、番組の尺を入力すれば、1発でファイルサイズがでてくるのだ。

計算どおりに出力されるかなぁ?

 では実際にエンコードしてみて、出力されるファイルサイズと画質を見ていこう。
 エンコード用の素材として利用させてもらったのは、PS2用ゲーム「いつか、届く、あの空に。」のオープニング映像だ。映像には2バージョンあるが、少し動きのあるバージョン“itusora_ps2_op2.mpg”を使ってみよう。
 素材映像は、こちらからダウンロード

※注意:編集部のPC数台で検証したところ、ダウンロードした一部ムービーが再生できない場合がありました。詳しい原因は調査中ですが、再生できない場合はffdShowというソフトがインストールされていないかを確認してください。もしインストールされている場合は、お手数ですが一旦アンインストールしてムービーを再び再生してください。
 ffdshowは、あらゆるムービーを再生できるコーデックの一種なのですが、エンコードする環境によってはソフトウェア同士の競合を引き起こす場合があります。  

1)AviUtilを起動し、上下の帯を削除
 元の映像は640×480ピクセルで、上下に16ピクセルぶんの黒い帯が入っているので、これを削除。

クリッピング&リサイズのダイアログボックス

上下16ピクセルを削除

 右上のチェックボックスをチェックし、「元の縦横比に合わせる」はチェックを外すこと。
 また「設定」メニューの「サイズの変更」-「なし」を選んでクリッピングした640×448ピクセルの映像を、そのまま出力するように指定する。

640×448ピクセルの映像がそのまま出力される

メニューからクリッピングした映像のサイズ変更せずにムービーを出力するように指定

2)音声コーデックとビットレートの指定
 ここでは映像のビットレートを変化させて、ファイルサイズと画質を調べてみるので、まず音声のコーデックとビットレートを指定する。

音声コーデックとビットレート指定

音声はLame MP3、属性は「192kbps 44.100Hz,Stereo 23KB/秒」を指定する

 手順はこれまでと同じなので、説明するまでもないだろう。

3)DivXの設定画面を表示させる

DivXの設定画面

DivXの設定画面を表示させる

 出力するムービーのサイズは、640×448ピクセルなので、認定プロファイルは、「Home Theaterプロフィール」にセットしよう。

(次ページへ続く)

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