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米グーグル、インフラを開放へ

2008年04月09日 21時42分更新

文● 編集部

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米グーグルは、現地時間4月7日、クラウド・コンピューティング向けプラットフォームサービス「Google App Engine」の開発者向けプレビュー版を発表した。

 「Google App Engine」は、米グーグルが持つインフラを使ってWebアプリケーションを構築できるプラットフォームサービス。Webアプリケーションの開発者は、自身が書いたコードをApp Engineにアップロードし、同プラットフォーム上で実行できる。グーグルは「システム管理やメンテナンスに注力する必要がなくなり、Webアプリケーションの展開を容易にする」としている。対応言語は、Python 2.5.2。

 App Engineでは、グーグルが自社のインターネットサービス向けに開発・利用している分散ファイルシステム「GFS(Google File System)」や、分散DBシステム「BigTable」を利用できる。自動レプリケーションとロードバランシング機能によってトラフィックの急増に対応できるのが特徴で、「100万ユーザー規模まで成長するアプリケーションを構築可能」という。また、認証や電子メールといったコンポーネントは、グーグルが用意するAPIライブラリを利用することで「ゼロから書く必要はなくなる」としている。

 App Engineのプレビュー版は、開発者1万人に限定して先着順、無償で提供する(日本時間4月9日時点ではすでに人数に達している模様)。プレビュー版では、月間500万PV、ディスク容量500MBの制限がある。グーグルはプレビュー版でのフィードバックを得て、将来的には有償でディスク容量や帯域幅を追加できるようにする予定。

 また、App EngineのWebサイトでは、Windows、Mac OS X、Linuxに対応したSDK(ソフトウェア開発キット)や、ドキュメントの配布も開始している。

 クラウド向けプラットフォームサービスは米アマゾンのほか、企業向けでは米セールスフォース・ドットコムなどが提供している。かねてから噂されていたグーグルが具体的なサービスをリリースしたことで、今後の動向が注目される。

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