開発者の生産性が高まると
ユーザーの生産性もまた高まる
―― Visual Studio といえば、従来から開発生産性の高い製品というイメージがあります。
近藤氏:ありがとうございます。そして今回の Visual Studio 2008 は、さらに高い開発生産性を追求したというのが2つ目の特長になります。今回、とくに強化したのはデータ操作です。
今日、膨大なデータの中から本当に価値あるデータを、いかにうまく見つけ出せるかが問われています。Visual Studio 2008 では、データアクセスについて大幅に強化しています。1つが統合言語クエリである「LINQ(Language Integrated Query:統合言語クエリ)」の導入です。従来はデータを操作するとき、データの種類によって異なるプログラミング方法を用いる必要がありましたが、 LINQ によって異なる種類のデータを同じ方法で操作できるようになりました。開発者は、統一され一貫性のある方法でデータソースにアクセスすることができます。
鈴木氏:生産性向上という点では、マイクロソフトの VBA に代表されるように敷居の低さも特長です。難しいことをやらなくても、いろんなことができてしまう。必要なアプリケーションというものは企業ごとに違いますから、それを多くの人がつくれるようにすることが大切なのです。
今、Webブラウザ上でユーザーに使いやすいインターフェイスを提供するAjaxが人気です。しかし開発者にとってのAjaxは、サーバサイドの仕組み、クライアントの仕組み、同期のタイミングなど考えるべきことが多く、ハードルが高いものでした。一方、 Visual Studio 2008 では、これまでの ASP.NET による開発と同じスタイルでAjaxアプリを開発できる仕組みがサポートされています。これによって多くの開発者がAjaxアプリをつくれるようになるでしょう。
開発者の生産性が高まると、より早く必要なアプリケーションを提供することにつながり、それを利用するユーザーの生産性もまた高まることにつながるのです。
――チーム開発のサポート機能も強化されていますね。
近藤氏:おっしゃる通りです。そしてこれが、 Visual Studio 2008 の3つ目の特長になります。
今日、ほとんどのソフトウェアは複数の人が関わり、チーム単位で開発しています。ところがチームによる開発は、人それぞれに思いがあり、そこにズレが生じやすいため実は難しいものなのです。そこでチーム内の整合性をとるためには情報や成果物の共有・管理をいかに効率的に確実に行なうことができるかが重要な鍵を握ります。
また、実際のアプリケーション開発ではまず、どのような機能が必要か要件を決定し、設計図を起こしてから開発を行ないます。開発したらテストを行ない、動作確認やセキュリティのチェックを終えてリリースします。リリース後は運用・保守をして、最終的には新バージョンの開発を行なうというライフサイクルになります。
Visual Studio 2008 では、アプリケーションのライフサイクル全体をカバーし、かつチーム開発のためのコラボレーションやコミュニケーションを支援するALM(Application Life-cycle Management)機能をより強化しています。ここには、膨大な人数でOSやOffice製品といった巨大なソフトウェアを開発しているマイクロソフトならではのノウハウが活かされているのです。
――本日はどうもありがとうございました。
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