Adobe AIR上で動く、デスクトップウィジェットを提供開始
「シャア少佐」の最新情報もブログに表示──ソニー、ウィジェットサービス「FLO:Q」を開始
2007年11月28日 01時42分更新
ウェブブラウザーなしでFLO:Qを使う
デスクトップウィジェットはブログウィジェットとは異なり、今回初めての提供となる。インターネット経由でFLO:Qのサーバーと連動し、ウェブブラウザーを使わずにインターネットのデータをデスクトップに表示できるのが特徴だ。
利用には、米アドビ システムズのアプリケーション実行環境「Adobe AIR」のβ版と、ソニーのAdobe AIR用アプリケーション「FLO:Q Widget Manager」のインストールが必要になる。
Widget Managerはデスクトップウィジェットの検索や管理、ユーザー同士のメッセージ交換などに使う。Widget Manager上でウィジェットを起動すると、別ウィンドウでウィジェットが開くという仕組みだ。
ソニーは、デスクトップウィジェットを3タイプに分類している。ひとつ目は自分でカスタマイズする「MY Widget」。これはFLO:Qのウェブページ上で利用サービスやキーワードを設定しておくと、ブログウィジェットと同じ25種類のウェブサービスのデータを引き出して表示できるもの。
2つめは、ほかのFLO:Qユーザーが作ったMY Widgetをダウンロードして使う「FLO:QersWidget」。MY Widgetを公開する際には、コミュニティー機能を利用するかどうかを設定できる。コミュニティー機能をオンにすれば、FLO:QersWidget上でユーザー同士でメッセージの交換などが可能になる。
3つめは、先のふたつと比べて凝ったデザインや高度な機能が用意されている「PluginWidget」。こちらは今後、ほかの企業やクリエーターと協業することで、順次公開していく。
デスクトップウィジェットの対応OSは、Windows Vista/XP、Mac OS X 10.4。動作環境は、WindowsがPentium4-1.5GHz以上のCPUと512MB以上のメモリーを備えたPC/AT互換機、Mac OS XがPowerPC G4-1.33GHz以上のCPUと512MB以上のメモリーを備えたMacintosh。ちなみにウィジェットといっても、Windows VistaのサイドバーガジェットやMac OS XのDashboard、マイクロソフトのSilverlightなどとは互換性がない。
ほかのデバイスに流用しやすい
デスクトップウィジェットを手掛けた理由については、アプリケーションをパソコン以外の機器に流用しやすいという背景があるようだ。
発表会で説明員は、「ウィジェットは今後のひとつのメディアになると考えている。ウェブブラウザーは機種依存があるため開発や運用が大変だが、ウィジェットはさまざまな機器との親和性が高い」と語った。
ソニー自体はさまざまなデジタルデバイスを販売しているため、FLO:Qのサービスが成功すれば、将来的にはテレビや携帯電話機でウィジェットを使い、インターネットから情報を引き出すという世界が実現するかもしれない。
広告ビジネスも試験的に展開
今回のFLO:Qのサービス開始に合わせて、(株)博報堂DYメディアパートナーズと(株)博報堂ケトルは、FLO:Qをベースにした広告ビジネスを展開すると発表した。
具体的には、ウェブウィジェットにバナー広告などを配信するサービスと、企業オリジナルのデスクトップウィジェット「ブランデッドウィジェット」の2つ。ブランデッドウィジェットは当初、味の素(株)の「日めくりレシピカレンダー」、(株)J-WAVEの「南極ペンギン ポール君」、(株)ユニクロの「UNIGLOBE」の3つを、12月中旬目標で公開する予定だ。
説明によると、この広告はまだ実験段階とのこと。ウィジェットに広告を貼るという概念がまだないため、ユーザーや企業の反応を見て今後の展開を考えたいという。