このへんのことは本誌のほうで触れてあるのでお読みいただければ幸いです。で、ここでは本誌で触れなかった話を書こうかと思う。もしもわたしがワイズワークスプロジェクトさんに調査の仕事を依頼したとして、ネガティブな意見、あるいは社外秘のようなネタの書き込みがあったと報告してもらった場合、次に出てくる要求というのは、当然、「これ、誰が書いたか追跡しろ!」
というもので、そうした依頼はあるんじゃないかと思われるのだが、そのへんどうなのかと鍋島氏に尋ねてみたところ、
「追跡をしてくれといわれることは、あります。しかしできません」
との答えだった。
アスキーのこのサイトにお越しくださるような皆様は、当然、サーバのログを調べられたらアウトだということはご存知だと思うので絶対やらないとわたしは思うが、いくら会社に腹を立てても「社内LANから書き込みするな!」というのは鉄則ですね。注意一秒怪我一生、心のゆとりを持ちましょう……って、どういう結論だ。
また、企業にとって不都合な書き込みがあった場合、犯人探しの次に出てくるのは「書かれたものを消してくれ!」だと思うんだけど、そのへんはどうなんだろう。引き続き鍋島氏に質問してみた。
「某匿名巨大掲示板に書いてるやつを消せ、おおっぴらでなく消せというご依頼は確かにあります。でもですね、だいたい某匿名巨大掲示板は削除要請を出すと逆にバレちゃうので、それはやっぱりできませんとお答えしてます」
話を伺っていて、だよなーと思った。わたしも以前、自分が書いたコラムに関してのスレッドがニュース速報板に立ってしまって真っ青になったことがあるんだけど(いや、あんなに恐ろしいことは滅多にない。なにせ鍋島氏の仰るとおり、インターネットの7割は否定的な意見だからだ。よほどの露出狂でないと、あの状況を喜ぶだけのメンタリティは持ち合わせてないと思う)、ああいうときは強い風になぶられている柳のごとく、決して風に対抗しようとせずに、ただ風を受け流しているしかないのである。右から風が吹けば左に流され、前から風が吹けば後ろに流され、スレの勢いに身を任せ、ただ時間が経過してdat落ちするのを待つ。それが最も得策だと思うわけである。
しかしこれだけ「できない」が多いと、「いったい何のための対策なのか?」という話になると思うんだけど、祭りを効果的に火消しする方法というのは存在するらしいのである。しごく単純、かつ、まっとうな方法なんだけど、そのへん、鍋島氏が語ってくれたことを本誌のほうに書かせてもらったので、ネット対策に悩む企業はご一読くださいまし。
(名称・数字・肩書等は取材当時のものです)
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