補正の有無と印刷時間
印刷時間はメモリーカードからのダイレクトプリントが、L版で1分03秒、2L判で1分33秒(印刷品質:きれい)かかるのに対し、パソコンからではL判で48秒、2L版で1分00秒(印刷品質:きれい、Easy-PhotoPrintから印刷実行)と、メモリーカードからの印刷では若干時間がかかる。画像処理のための演算時間がかかっているようだが、いずれの場合でも自動写真補正のON/OFFでは印刷時間にあまり差異が認められなかった。
印刷結果は4色インクとしてはかなり鮮やかで、画質レベル「きれい」ならばデジタルカメラ画像の印刷でもほとんどの場合問題ないだろう。画質レベル「標準」でもわずかに横縞が目立つ程度で、印刷時間が2/3程度に短縮されることからかなり実用的だ。顔の強調などの補正機能に関しては、横向きの顔などが正しく認識されないこともあるものの、いったん顔として認識された場合はしっかりと補正される。特に顔を含んだ自動写真補正では、逆光で暗くなった顔を明るくするために背景まで明るくなりすぎるといった過度の補正を防いでくれるのはありがたい。
自動写真補正に関しては今期の「PIXUS」シリーズに共通で導入されたほか、印刷ソフト「Easy-PhotoPrint EX」がウェブサイト上で公開されているので、これをダウンロードするだけで従来機のユーザーでも利用できるのは大きな魅力だろう。
mini 360に関しては、ボディーサイズをあまり変えることなく2L判に対応し、L判までではプリントアウトを手に取ったときに物足りさを感じた人にも満足感は高いものとなる。さらに内蔵メモリーの搭載により、以前に印刷した画像をパソコンのHDDのどこに収納したかで探すのに苦労することなく、また友人宅などに持ち出して印刷するといったケースでメモリーカードやカメラ本体をわざわざ持って行く必要がないのがうれしい。オプションのバッテリーパックを使えば屋外など、電源の取れない場所でも印刷できることから、内蔵メモリーと併用すればモバイルプリントに活躍しそうだ。
PIXUS mini 360の主なスペック | |
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製品名 | PIXUS mini 360 |
印刷解像度 | 9600×2400dpi |
印刷方式 | サーマルインクジェット、CMYK系4色 |
ノズル | CM各512ノズル、YK各256ノズル |
メモリーカード | CF、メモリースティック/同Duo(PRO含む)、SD、SDHC、MMC、マイクロドライブなど |
液晶ディスプレー | 2.5インチ |
対応用紙サイズ | L判、2L判、ワイド、KGサイズ、専用名刺、専用カード |
インターフェース | USB 2.0、USB(PictBridge用)、IrDA Ver.1.2、Bluetooth(オプション)、DC入力 |
電源 | AC100V(ACアダプター付属)、バッテリー(オプション) |
本体サイズ | 幅258×奥行き225×高さ81mm |
重さ | 約2.5kg |