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ノイズキャンセルで電車内でも快適視聴

【レビュー】ウォークマン初のワンセグ対応! ソニー「NW-A919/BI」

2007年10月12日 09時00分更新

文● 高橋敦

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電車内で「効果大」のノイズキャンセル


 まずは通勤/通学を想定して、電車内において手持ちで試用した。ノイズキャンセルの効果は確かで、電車の走行音や空調の音など、中低域の騒音をぐっと抑え込める。ボリュームを上げなくても音が聴き取れるため、結果的に音漏れも少なくできるのもメリットだ。

 また、ノイズキャンセルは本体のスライドスイッチでオン/オフできるので、例えば車内アナウンスが気になったときなどにさっとオフにして確認できるのもいい。

ノイズキャンセルのスイッチ

ノイズキャンセルは、本体上部のハードウェアスイッチでオン/オフする。メニューを呼び出す手間はない

ノイズキャンセルの効き具合を設定

ノイズキャンセルの効き具合も調整可能。個人的には、強く設定すると騒音とは別のホワイトノイズのようなものが目立ち、圧迫感を感じた



意外に役立つ字幕機能


 視聴/再生中にオプションメニューから呼び出せる早見再生字幕機能はかなり使える。

 特に電車内では、字幕が効果を発揮する。生放送でない映画やドラマでは、台詞+状況説明の字幕を表示できる番組も多い。例えば電車同士がすれ違った轟音で一瞬だけ台詞を聞き取れなかったりしても、字幕で補完できるわけだ。

 番組内容をさかのぼって字幕を一覧表示する「ここまでの字幕」機能は、番組の最初や途中を見逃したときなどに便利そうだ。録画した場合に使える、見たい個所の字幕を選べば番組の見たいシーンにジャンプできる「字幕ジャンプ」機能も、面白さだけでなく、実用性も兼ね備える。

早見再生

早見再生は1.25倍と1.5倍の2種類。1.5倍でも音声は十分に聞き取れる。例えば、会話の話題作りのために録画したニュースをさっとチェックするといった用途に役立ってくれるだろう

字幕ジャンプ

録画番組の字幕ジャンプ機能。字幕で番組の進行を確認して、見たい個所の字幕を選べばその場面から再生開始される

 ただし、実際に使ってみて気になったのは、ワンセグのフル解像度(幅320ピクセル)を生かすために横表示した際に、メニューはなぜか縦表示のままであるという点だ。早見再生や字幕の機能を使うにはメニューからの操作が必須だが、そのたびに縦に持ち直して指示し、また横に持ち直すというのはやはり面倒だろう。

横方向でもメニューは縦

横表示で本体の「オプション」ボタン(カーソルキーの下側のボタン)のメニューを呼び出しても、メニュー表示は縦のまま

 電車内での操作については、本機は一般的な携帯電話機より小さくて軽く、カーソルキー中心のメニュー操作は携帯電話機と同系統。車内でケータイを操作し続けるのに不自由がない人なら、本機でのワンセグ視聴も自然にこなせるはずだ。



硬貨を差し込めば「自立」する


 飲食店や仕事場などを想定した机置きスタイルも試してみた。本体は背面にスリットが用意されており、付属の丸形チップを差し込んで立てかければ、横方向での斜め置きが可能になる。スピーカーは内蔵しないので、多人数で楽しみたいときには、ステレオミニで接続できる外部スピーカーが必要だ。

自立

ソニーが推奨する使い方ではないが、付属のチップの代わりに硬貨を差し込んでも自立できる(500円玉が最適)。専用パーツを持ち歩かずとも、手持ちの硬貨で代用できるのはとっさのときに便利だ



録画は「毎回録画」を活用するのが吉


 最後に録画機能についてまとめておこう。本機では、「視聴中のオプションメニューからその場で録画開始」「番組表から番組を指定して予約」「日時指定で予約」の3パターンで録画できる。

 番組表からの予約は、使い勝手があまりよくない。画面サイズの制約とワンセグ自体の仕様からだろうが、画面内に番組表を1チャンネルぶんしか表示できず、しかも長くても半日分くらい先の番組までしか現われない。そのため、夕方頃に「今夜放送の番組を見られそうにないから録画しておこう」というニーズは満たせるが、寝る前に「明日の昼に放送されるあの番組を録画予約しておこう」という場合はあきらめるしかない。ちなみに、電源はオフにしていても録画可能だ。

 一方で、予約設定の内容は充実している。「毎回録画」(1番組を別ファイルとして保存)に対応するのに加えて、その毎回録画の予約を「上書き」(同一ファイルに重ね書き)に設定することも可能だ。例えば、語学番組は普通に毎回録画して録り貯め、ニュース番組は上書き録画で最新放送だけ残すということができる。まとめると、あれこれ予約録画するのは苦手だが、決まったスケジュールでの録画は得意という印象だ。

番組表

ワンセグの番組表は簡易的。DVDレコーダーの番組表のような便利さはない

録画機能

「毎回録画」と「上書き録画」の設定を使いこなすことで、確実な録画と無駄な容量の節約を果たせる

 しかし気になったのは「パソコンにUSB接続している間は録画不能」という仕様だ。本機にはACアダプターが付属しておらず、パソコンにUSBケーブルでつないで充電することになるが、その際、再生/視聴/録画といった一切の操作が行なえないという仕様になっている。ちなみにパソコンに接続して録画予約の時間を迎えると、録画予約が飛ばされてしまう。

 録画を多用するなら、別売されているUSBケーブル用のACアダプター「AC-U50AD」(価格は2480円)を用意して、パソコンを利用せずに充電できる環境にしておくほうが安心だろう。同時に録画中のバッテリー切れも防げる。

 音楽+写真+ビデオ+ワンセグということでメディアプレーヤーとしてフルスペックなのは前述の通り。ワンセグ端末としてだけ見ると、メニュー表示や録画機能などで細部に詰めの甘さが残るものの、フルスペック+αのポテンシャルは十分。ワンセグを毎日利用したいという方には有力な選択肢となるだろう。

「NW-A919/BI」の主なスペック
製品名 NW-A919/BI
記録媒体 内蔵メモリー 16GB
液晶ディスプレー 2.4インチTFTカラー
再生形式 音楽:MP3、WMA(著作権保護なし)、AAC(著作権保護なし)、HE-AAC、ATRAC、ATRAC Advanced Lossless、リニアPCM ビデオ:MPEG-4、H.264/AVC(音声はAAC-LC) 画像:JPEG
インターフェース 音声出力(ステレオミニジャック)、USB 2.0
バッテリー持続時間 音楽再生(MP3):36時間、ワンセグ放送視聴:6時間、ワンセグ放送録画:8.5時間、ビデオ再生:10時間
本体サイズ 幅47.2×高さ86.0×厚さ12.3(最薄部11.3)mm
重さ 約78g(充電池含む)

初出時、製品の価格と重量が誤っておりました。訂正してお詫び申し上げます(2007年10月12日)



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