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日本オラクル、日本でのECM市場拡大を狙う

2007年10月10日 20時38分更新

文● アスキービジネス編集部

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10日、日本オラクルはECMコンポーネント「Oracle Universal Content Management 10g Release3」「Oracle Universal Records Management 10g Release3」「Oracle Imaging and Process Management」の3製品のリリースを開始した。今期は10億円の売上を目指す。


完全スイート型のECMで、顧客ニーズをつかむ


 10日、日本オラクルは、統合的なコンテンツ管理を実現する「Oracle Fusion Middleware」の新コンポーネントの提供を発表した。

 今回新しくリリースを開始したのは「Oracle Universal Content Management 10g Release3」(以下、OUCM)「Oracle Universal Records Management 10g Release3」(以下、OURM)「Oracle Imaging and Process Management」(以下、OIPM)の3製品。米オラクル・コーポレーションはECM(Enterprise Content Management)のリーディングカンパニーである米Stellent,Inc.を2006年12月に買収しており、今回の新製品はStellentの企業向けコンテンツ管理ソフトをオラクルのラインナップに組み込んだもの。

 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「売上高300億円規模とそれほど大きくない国内ECM市場にオラクルが本格参入することで、市場を拡大していきたい」とその狙いを語る。「北米のECM市場は約3000億円規模と言われており、Webコンテンツ管理や内部統制目的のドキュメント管理などのニーズの高まりを受けてECM市場が拡大している。今後、日本でも同じような成長の軌道を辿ると考えている」(三澤氏)

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

 日本オラクルのECMの主力製品であるOUCMはドキュメント管理、マルチサイトWebコンテンツ管理、デジタルコンテンツなどの統合管理を行ない、コンテンツ管理に関する40以上の主要機能を持つ。その特徴は「完全スイート型のため、機能連係の作り込みの必要がないこと」や「シングル・リポジトリによるコンテンツの一元管理によって運用管理が容易になる」といったことが挙げられる。

Oracle Universal Content Management 10g Release3のイメージ画像。ドキュメントをHTMLで瞬時に表示することができるため、生産性向上につながる(画面クリックで拡大)

Oracle Universal Content Management 10g Release3のイメージ画像。ドキュメントをHTMLで瞬時に表示することができるため、生産性向上につながる(画面クリックで拡大)

 また、OURMは企業内コンテンツのレコード管理に特化しているECMで、OIPMは紙文書をイメージ処理し、承認・保存までのワークフローシステムの構築を可能にしている。OURM、OIPM共に単体でも企業に導入できるが、「OUCMとあわせて相互補完的に活用するケースが多いのではないか」と三澤氏は述べる。

「今後、ECMを会計やCRMとうまくマッチングさせていくことが重要になる。我々のOUCMはビジネスアプリケーションとECMをSOAで統合することができる。このような要望はユーザーから増えてきており、市場を拡大していく1つの要素となるのではないか」(三澤氏)。

 日本ではStellentのパートナー企業であった新日鉄ソリューションズや富士通ミドルウェアなどが、日本オラクルのパートナー企業として今後も販売を担当する。売上高目標はOUCMとOURM、OIPMの3製品をあわせて「来年5月末までの今期中に10億円。来年以降は20億、30億円と倍増させていきたい」と三澤氏は目標を語る。

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