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ハイテクガン診断とリゾートの両立を目指せ

利用者頭打ちムードの“検診ツアー”打開策はどこにある?

2007年09月27日 23時00分更新

文● 藤本典子(編集部)

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月刊アスキー 2007年11月号掲載記事

検診ツアー

 PET(ポジトロン断層撮影法)は、小さなガンにも対応し全身を一度で検査できる人気のガン検診法だ。検査機器が少なかった当初は、首都圏で数ヶ月の予約待ちはザラ。費用は10~20万円と高額だった。そこで登場したのが「PET検診ツアー」。受け入れに余裕がある地方病院にリーズナブルな価格で患者を送り込み、同時に現地観光で楽しんでもらう。2003年頃から各旅行会社がこぞって企画し、業界先駆けのスカイパックツアーズでは累計2000名以上の参加があったという。

 しかし全体では、実はここ1年ほど頭打ちの状況だ。「受診希望者は増加したが、首都圏の対応病院が増え、ツアー利用者は減っている」((株)ジャルセールス国内業務部 和田幸治氏)という声に代表されるように、各社とも微減か横ばいという状態。また、現地観光のニーズは当初の期待ほどではなく、とんぼ返りする一人客が目立つ。「参加者の4割が夫婦」というJTB沖縄のような、旅行のついでに検診という利用はあまり多くはなかったのだ。

 しかし、ガン早期発見の重要性の認知は向上する一方。そもそも薬事法に抵触しかねない難しい商品を軌道に乗せた経緯もあり、各社ともおいそれと手放す気はないようだ。今後の焦点は、ずばり検診費用の引き下げ。「東京での検診に比べ値頃感の強みがある」(スカイパックツアーズ 松沢司郎氏)という通り、価格面での勝負になりそうだ。さらに「現地観光をどのように魅力付けしていくか」(ジャルセールス 和田氏)という点も大きな課題。誕生から4年目、見直しの時期に来ていると言えるだろう。

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