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日本オラクルとフレームワークスが協業、「物流プラットフォーム」開発でオラクル製品を活用

2007年05月21日 22時55分更新

文● 渡邉利和

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日本オラクルとフレームワークスは5月21日、物流分野における取り組みでの協業について説明を行なった。フレームワークスは5月16日付けで「物流プラットフォーム(仮称)」の開発意向を表明しており、今回の説明会はこの発表を踏まえてのものとなる。


SCの全体最適化を目指す


株式会社フレームワークス 執行役員 マーケティング本部長 降旗利弥氏

株式会社フレームワークス 執行役員 マーケティング本部長 降旗利弥氏

 フレームワークスの執行役員 マーケティング本部長の降旗 利弥氏は、同社を「物流改革に特化したソリューションを提供する専門集団」と位置づけた上で、従来のWMS(物流管理システム:Warehouse Management System)やSCM(Supply Chain Management)といったソリューションは、「より大きな視点から見ればある一部分だけに対応した部分最適のシステムに過ぎず、サプライチェーン全体の最適化を実現するシステムが必要になった」と話す。その解決策として、今回、「物流プラットフォーム(仮称)」の開発に着手したという。

 同社では、リアルタイムでのプロセス・モニタリングによる「動的な見える化」と、ある一時点でのデータをBIの手法を用いて詳細に分析する「静的見える化」の両方に対応することが全体最適化の実現に重要と考えている。このためもあって、物流プラットフォームでは、下層のプラットフォームに日本オラクルのFusion Middlewareのコンポーネント群を利用し、その上にフレームワークス独自のロジックを載せるという構成を採る計画だ。

 また、「ユーザーの環境に大規模な変更を施すのは現実的ではない」との判断から、既存のSCMはWMSなどのシステムをSOA的な手法で相互接続し、かつ接続点で必要になる処理に関しても物流プラットフォーム側で実装することで既存システムへの変更を極力避けるように配慮する。

 このために使用されるのが、日本オラクルが提供するBPEL(Business Process Execution Language)エンジンである「Oracle BPEL Process Manager」だ。既存システムをサービス化してBPELで相互接続し、さらに追加のロジックをBPELの部分に追加することが可能になる。

 加えて、リアルタイムのプロセス・モニタリングに利用されるBAM(Business Activity Monitoring)やデータ解析に利用されるBI(Business Intelligence)の部分も日本オラクルが提供する機能を利用して構築するという。


SOAの本質は「作らず、使う」こと、インフラにオラクルを活用


日本オラクル株式会社アライアンスビジネス統括本部 ビジネス推進部ディレクター 遠藤 哲氏

日本オラクル株式会社アライアンスビジネス統括本部 ビジネス推進部ディレクター 遠藤 哲氏

 日本オラクルとフレームワークスの協業について説明を行なった日本オラクルのアライアンスビジネス統括本部 ビジネス推進部ディレクターの遠藤 哲氏は、フレームワークスとの協業が2006年4月から始まった経緯などを振り返ったあと、SOAのコンセプトについて紹介し、SOAの根本的な発想は「作らずに、使う」ことだとした。

 フレームワークスの協業の本質も同様であり、既に利用可能な製品として提供されているオラクルのミドルウェアコンポーネントを利用することで「インフラはオラクルの製品を使うことで開発労力を節約でき、フレームワークスはビジネス・ロジックの部分に専念することで、ユーザーにもメリットが生じる」(同氏)。なお、フレームワークスは2007年4月に日本オラクルと再販パートナー契約を締結しているため、ユーザーはオラクル製品を含むソリューションをフレームワークスから一括購入できる体制となっている。

 物流プラットフォームの製品としての完成は2007年10月頃が予定されており、正式リリースは2007年中を想定しているとのことだが、現時点では詳細は未定。

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