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【レビュー】コンパクト機もついに1200万画素に

Cyber-shot DSC-W200

2007年05月14日 15時00分更新

文● 行正和義

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高画素の利点を生かしきれているか?

掲載当初、撮影サンプルは評価機で撮影しましたが、製品相当の画質に改善された機材が届いたため、改めて撮影し、掲載写真を差し替えました。(2007年5月22日)

W200を手に持った印象は、スリムなボディながらかっちりした操作部や、クイックな動作などがいかにもCyber-shotらしい。レンズ周囲のリングがごつくなっているため、スペック上では厚みが27.3mmとW80に比べて5mmほど増えてはいるものの、ボディー本体部は最薄部22.1mmとそれほど厚くなっておらず、ポケットやポーチなどで持ち歩く感覚は、既存のスリムデジカメとほとんど変わらない。

撮影サンプル1 全体画像と等倍表示にしたトリミング画像を見比べてみると、あらためて1210万画素の情報量の多さを実感させられる。すっきりした色あいも良好だ。プログラムAE、1/400秒、F5.6、ISO 100。元画像は3000×4000ドットで、それぞれ600×800ドットにリサイズおよびトリミングしているのみで、それ以外の画像補正はかけていない

なんといっても注目なのは、1210万画素というコンパクトデジタルカメラとしては最高クラスの記録画素数だろう。パソコンに撮影画像を取り込み、4000×3000ドットの画像を等倍表示で見てみると、細部まで細かく写っていること自体にまず驚かされる。ウェブ掲載用などにリサイズするにしても、元データが大きいほうが被写体のディテールやエッジは残りやすいし、一部のみをトリミングしてデジタルズーム的に使っても、解像感が損なわれない。

撮影サンプル2 コントラストを自動的に補正する“Dレンジオプティマイザー”はなかなか強力で、強い逆光による白とびはやむをえないとしても、逆光下でもシルエット状の部分が黒くつぶれたりせずに階調が残っている。プログラムAE、1/640秒、F8.0、ISO 100

一方で、細かな部分を等倍で表示させると、いまひとつシャープさが足りないような印象がある。画像へのシャープネスをどの程度にするかは、デジタルカメラメーカーのさじ加減もあるのだが、あまり強すぎると人工的な印象が出るほか、ノイズによりざらついた感も出てしまう。コンパクト機のレンズにとっては、1210万画素もの高画素CCD向けに1ドット単位でシャープに解像することは難しいところはあるのだろうが、やはり物足りない印象もある。

撮影サンプル3 ハイライト周囲にわずかに着色が見られるほか、等倍表示ではエッジや細部などにシャープさがやや物足りない印象がある。プログラムAE、1/160秒、F9.0、ISO 100

ちなみに、こちらは以前の評価機で撮影した際の、横縞ノイズが載った撮影サンプル(左写真の左上など。右はその拡大)。製品相当機材で撮影したほかのサンプルと見比べると、このサンプルで見られた横縞ノイズは解消されているのが分かる

色味そのものは、Cyber-shotシリーズならではの鮮やかな彩度強調がされているものの、発色自体はすっきりとした絵作りとなっている。新画像処理エンジンの威力もあってか、逆光やハイコントラストなシーンでもコントラストの調整で暗部がつぶれにくいのはかなりよくできている。手ぶれの次にありがちな失敗である露出ミスを防ぐという意味ではかなり大きな利点だ。

撮影サンプル4 マクロ撮影はワイド端で最短5cm、テレ端で34cmまで近接できる。ほかのCyber-shotのような、ワイド端固定でより近接できる“拡大鏡モード”は備わっていない。マニュアルAE、1/160秒、F11、ISO 100

デジタルカメラの高画素化傾向はいまだに続いているが、一概に“高画素=高画質”とは言えないことは、一般的にも認知されつつあるようだ。とはいえ、画素数が高ければリサイズやトリミングなどのレタッチ後にも解像感が残るし、解像度を下げつつ高感度にするなど、ノイズを抑えるような処理にも有利だ。

撮影サンプル5 “ISO感度 オート”の場合は、最高ISO 800まで、モードダイヤルを“高感度”にすれば、ISO 1600まで自動的に感度アップされる。ISO感度をマニュアル指定すれば、ISO 3200相当まで設定できる。高感度モードで撮影したが、ISO 1600相当でもかなりノイズは抑えられている。プログラムAE、1/13秒、F2.8、ISO 1600

撮影サンプル6 マニュアル指定にてISO 3200で撮影。かなりノイズが載るが、撮影画素数が4000×3000ドットと大きいため、1/2程度に縮小すると比較的目立たない。プログラムAE、1/6秒、F4.5、ISO 3200

撮影サンプル7 シーンモードの1つとして用意されている“EX高感度モード”を用いれば、記録画素数が300万画素となる代わりに、最高ISO 6400まで感度がアップする。しかしノイズ感は残るので、シャッター速度低下による手ぶれのことを考えなければ、ISO 3200で撮ってリサイズ&レタッチしたほうがいいように思える。プログラムAE、1/8秒、F4.5、ISO 6400。元画像は2048×1536ドットで、それぞれ800×600ドットにリサイズおよびトリミングしているのみ。それ以外の画像補正はかけていない

本機はコンパクト機というハンデもあって、1210万画素というデジタルカメラ最高クラスの高い画素数を、フルに生かした絵を得られるというわけではない。画質を最優先と考える人は物足りなく感じるだろう。

しかし、光学式手ぶれ補正や高倍率ズームなどと同様に、画素数もコンパクトデジタルカメラの付加価値のひとつである。高い画素数によって補助されたデジタルズームや低ノイズなどのさまざまな利点を考えれば、持ち歩きカメラとして十分すぎるほどの機能と使い勝手を備えた、強力な1台であることは間違いない。

DSC-W200のスペック
製品名 Cyber-shot DSC-W200
撮像素子 1/1.7インチ 有効1210万画素CCD
レンズ 光学3倍ズーム、F値 F2.8~5.5、焦点距離 f=7.6~22.8mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm)
静止画撮影 最大4000×3000ドット
ISO感度 オート、ISO80/100/200/400/800/1600/3200/6400(3Mモード)
動画撮影 最大640×480ドット、30fps、MPEG-1形式
ディスプレー 2.5インチTFT、約11万5000画素
記録メディア 内蔵 約31MBフラッシュメモリー、メモリースティックDuo/Pro Duo
インターフェース USB、AV出力
電源 リチウムイオン充電池(NP-BG1)
撮影可能枚数 約300枚
本体サイズ 91(W)×27.3(D)×58.5(H)mm
重さ 約142g(本体のみ)/約173g(装備重量)

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