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【レビュー】スライディングレンズと光学式手ぶれ補正搭載の高品位コンパクト

オプティオ A30

2007年03月26日 22時03分更新

文● 行正和義

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しっかり作りこんでいるハイエンドコンパクト

撮影サンプル1 拡大すると細部のディテールが残っている点はさすがに1000万画素だけのことはある。ハイライトは白とびしており、端のほうではややエッジの着色が見られる。プログラムAE、1/800秒、F2.8、ISO 64。元画像は3648×2736ドットで、640×480ドットへリサイズおよびトリミングしたほかの画像処理は行っていない

オート中心で操作することを前提としたカメラだけあって使い勝手はよく、電源ONで素早く伸長するレンズをはじめ、きびきびした動作は使っていて非常に気持ちがよい。シーンに合わせて自動的にシーンプログラムが選択されるAutoPictにしておけば風景や街中のスナップ、ポートレートなどで大きく外した設定にならないようだ。

撮影サンプル2 焦点距離は35mm換算で38mm~と、広角が弱いのが残念。発色はやや浅く、明るめに出る傾向にあるようだ。プログラムAE、1/500秒、F2.8、ISO 64

露出補正はメニューを呼び出して選択するなど、やや面倒な印象もあるのだが、カーソル右下にある“グリーンボタン”はFn設定と呼ばれるカスタマイズが可能で、ワンタッチで画素数や画質、露出補正、ホワイトバランスなどの設定を呼び出せるため、逆光下などの微妙な環境でも狙った露出で撮れるのはありがたい。面白いのはISO感度設定で、ISO感度を個別に指定できるほか、オートにしていてもISO 64~100、ISO 64~200、ISO 64~400、ISO 64~800、ISO 64~1600と上限を定めた細かい設定選択ができるようになっている。他社製品でもISO感度を“オート”“高感度オート”などと区別しているものがあるが、ノイズによって劣化する画像をどこまで許容するかはユーザーや撮影用途によってまちまちであり、なるべく低感度で画質を優先させるか高感度でも手ぶれを抑えるかという撮影者の意図に合わせて適度に範囲選択できるのは、何かと重宝するだろう。

撮影サンプル3 好みにもよるが、露出をわずかに下げると濃いめの発色となり色の深みも増す。プログラムAE、露出補正-0.3EV、1/200秒、F8.0、ISO 64

スリムコンパクト機の多くが1/2.5インチの撮像素子を採用するなか、あえて1/1.8インチCCDを搭載するだけあって解像感はなかなか良好で、ハイコントラストなシーンでも白とびや黒つぶれが少ないのはさすがだ。ただし、周辺部にややエッジの着色など画質の劣化が見られたのは残念なところ。

撮影サンプル4 夜景モードで撮影。低感度ではかなりノイズが抑えられている。露光時間2秒、F2.8、ISO 100

撮影サンプル5 夜景モード高感度で撮影。ざらつきや輝点ノイズを抑えるために周辺の画素で平滑化するタイプのノイズリダクションを採用しており、拡大するとうねうねとした印象となる。とはいえディテールが潰れずに残っているのはなかなかのもの。1/5秒、F2.8、ISO 1600

本機はスライディングレンズとCCDシフト式光学手ぶれ補正、1000万画素CCDをスリムなボディーに詰め込み、ハイエンドコンパクトとしてうまくまとまっている。オプティオ A20からはマイナーバージョンアップ的な製品ではあるが、手ぶれ補正の精度アップなど地道に機能を向上させているのも好感が持てる1台だ。



オプティオ A30の主なスペック
製品名 オプティオ A30
撮像素子 1/1.8インチ有効1000万(総1030万)画素CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=7.9~23.7mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~114mm)、F2.8~5.4
静止画撮影 最大3648×2736ドット
ISO感度 オート、ISO 64/100/200/400/800/1600/3200相当
動画撮影 640×480ドット、15/30fps(25fpsの映像信号をもとに30fpsで記録)、DivX圧縮MPEG-4準拠AVI形式
液晶ディスプレー 2.5インチTFT、約23万2000画素
記録メディア 内蔵約22MBフラッシュメモリー&SDカード(SDHC対応)
インターフェース USB 2.0、AV出力、DC入力
電源 専用リチウムイオン充電池(D-LI8)
撮影可能枚数 約150枚(静止画)、約55分(動画)
本体サイズ 89.5(W)×23.5(D)×57.5(H)mm
重さ 約130g(本体のみ)/約150g(電池、SDカード含む)


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