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「製造・物流・流通のSCMでNo1を目指す」 インフォア、SOAベースの倉庫管理パッケージを発売

2007年03月19日 10時46分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本インフォア・グローバル・ソリューションズは、3月19日、倉庫管理パッケージの新版「Infor SCM Warehouse Management 9.0」の出荷を開始した。発売に先駆けて開かれた16日の会見で、同社の中村定常務らが発表した。新版ではアーキテクチャを刷新し、J2EEを基盤としたWebアプリケーション化とSOA対応によるシステム連携を売りとする。


Open SOA対応でシステム連携を強化、機能強化も容易に


 「Infor SCM Warehouse Management 9.0」(SCM WM 9.0)は、日本インフォア・グローバル・ソリューションズが開発・販売する中堅企業向けの在庫管理パッケージである。受注/出荷/請求/物流/代理店/品質などの管理機能を持ち、前身となる「EXceed」(イーエックスイーテクノロジーズ)「SSA Warehouse Management 4000」(SSAグローバル)などを含めると20年以上の実績がある製品だ。昨年5月にSSAグローバルをインフォアが買収したことで今回から名称を改め、大幅な機能強化を行なった。

(写真左から)常務執行役員の中村 定氏、ビジネスコンサルティングマネージャーの村上勇人氏

(写真左から)常務執行役員の中村 定氏、ビジネスコンサルティングマネージャーの村上勇人氏

「Infor SCM Warehouse Management 9.0」の画面。J2EEの採用でWebブラウザ上で動作する

「Infor SCM Warehouse Management 9.0」の画面。J2EEの採用でWebブラウザ上で動作する

 新版では「業務系の機能もアップデートしているが、基本的にはテクノロジー面での変更が大きい」(ストラテジックソリューショングループ・ビジネスコンサルティング本部 ビジネスコンサルティングマネージャー 村上勇人氏)としてアーキテクチャの刷新を図っている。具体的には、J2EEを基盤としたWebアプリケーション化を実現。各機能をコンポーネントに分け、「Infor Open SOA」に対応させた。Infor Open SOAとは、インフォアが提唱するSOAへのアプローチ手法であり、システムを止めることなくコンポーネントの追加、アップグレードを行なうことができるとしている。

 インフォアがアーキテクチャを刷新したのは、他のシステムとの連携を強化するため。特にインフォアはSSAグローバルやマピックスなどの買収で製品ラインナップが膨らんできており、「グローバルではSAP、オラクルに次ぐエンタープライズソフトベンダーとしては3位につけた状況」(常務執行役員の中村 定氏)まで急成長している。同社はERPパッケージやBI、HCMなどの既存製品を順次、Open SOAに対応させることで製品連携を強化する考えで、今回のSCM WM 9.0はCRMに続くOpen SOA対応製品となる。さらに今夏には、エンタープライズバス(ESB)製品である「Infor ESB」をリリースする計画があるという。

 同社はOpen SOAによって、ユーザー管理の一元化や新機能投入までのスパン短縮、共通のUI開発環境の提供による柔軟なカスタマイズ/バージョンアップの実現――といったメリットがあるとアピールする。

インフォアのSCMパッケージの全体図。計画系についても現在ローカライズを行なっているという

インフォアのSCMパッケージの全体図。計画系についても現在ローカライズを行なっているという

 SCM WM 9.0は、インフォアのSCM(サプライチェーン・マネジメント)アプリケーションのひとつとの位置づけで、計画系アプリケーション「Supply Advanced Planning and Scheduling」の日本語化も現在進めている。国内150社の導入実績を持つなど、倉庫管理の分野で強みを持つ同社だが、この計画系の投入をもってSCM事業のさらなる拡大に注力する構えだ。特に製造、物流サービス・3PL(3rd party logistics)、流通・小売をフォーカス業界と定め、「これらの業界においては、計画系を含めた“エンドtoエンド”のSCMソリューションでナンバーワンベンダーを目指したい」(中村氏)と意気込む。

 SCM WM 9.0の価格は非公表で、販売はパートナー経由で行なわれる。

 日本インフォア・グローバル・ソリューションズの親会社である米インフォア・グローバル・ソリューションズは、ERP、CRM、SCM、BI、HCMなどの企業向けパッケージを手がけるアプリケーションベンダー。2002年の設立以来、2005年にERPベンダーの米マピックス、2006年はSSAグローバルを相次いで買収するなどして急成長を遂げている。年商は日本円にして約2450億円。特に中堅企業の製造・流通業に強みを持ち、グローバルで7万ユーザーを抱えるとされる。

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