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ウインドリバー、組み込み機器用システムのビジネス戦略説明会を開催

2007年03月08日 18時56分更新

文● アスキービジネス編集部

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組み込み機器向けシステム大手のウインドリバーは、都内で記者説明会を開催し、同社の戦略を説明するとともに、同社の組み込み機器向けLinuxと開発環境がNECエレクトロニクスの組み込み機器開発プラットフォーム「platformOVia」(オーヴィア)に採用されたことを発表した。

組み込みOS市場のトップベンダーであるウインドリバー

 ウインドリバーは組み込み機器用のシステムや開発のサポートを行なう企業だ。「VxWorks」と「Linux」という2つのOSをサポートし、組み込みOS市場で40%を越えるトップシェアを占めている。しかし米ウインドリバー ワールドワイドセールス&サービス担当副社長のダミアン・アート氏は、「真のライバルは競合他社ではなく、インハウスのシステム」であると語る。

米ウインドリバー ワールドワイドセールス&サービス担当副社長 ダミアン・アート氏

米ウインドリバー ワールドワイドセールス&サービス担当副社長 ダミアン・アート氏

 組み込みシステムの開発は、ハードウェア立ち上げから始まって、ファームウェア、デバイスドライバ、アプリケーョンの開発、検証やテストなど多くの工程を経る複雑なものである。そして、開発期間の短縮とシステムの高度化が同時に進行することにより、インハウスでの開発は困難になっていくとアート氏は語り、開発の全工程を1つの開発環境でサポート可能なウインドリバーのプラットフォームの優位性を主張した。ウインドリバーのプラットフォームを利用することで、モバイルデバイスを開発するベンダーは、製品そのものの開発に集中することができ、製品の付加価値向上が実現できるという。

ウインドリバーのプラットフォームは、開発の全工程をサポートする

ウインドリバーのプラットフォームは、開発の全工程をサポートする

 ウインドリバーのプラットフォームの採用例として、世界市場向けスマートフォンをLinuxベースで開発している国内のメーカーや、音声・動画・データの「トリプルプレイ」に対応したブロードバンドルータを開発しているNTTエレクトロニクスが紹介された。さらに本日付の発表として、ウインドリバーのLinuxと開発環境が、NECエレクトロニクスの組み込み機器向けプラットフォーム「platformOViA」(オーヴィア)に採用されたことが紹介された。platformOViAは、モバイル機器、デジタルAV機器、車載情報システムに適したプラットフォームで、今回ウインドリバーの製品が採用されたのは、モバイル機器向けのものとなる。残る2つの分野向けへの採用は、交渉が進められている段階だ。

日本企業と戦略レベルの協力体制構築を目指す

 アート氏は日本市場向けのビジョンとして、日本企業とのより緊密な協力体制を目指していると語る。現状では、特定の用途や機能を実現するといった戦術レベルでの協業が主体だが、今後はより高度な戦略レベルでの協力体制を目指すという。それにより、日本国内での売り上げ比率を現在の12%から3年後には20%まで上げるという目標を提示し、国内市場への注力を約束した。

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