センドメールとクラスキャットは、両社の提供するソフトウェアをIBMの「System x」サーバに搭載したメールサーバアプライアンスの提供を開始する。ダイワボウ情報システムから「ウィルス/スパム対策インターネットサーバアプライアンス」として、2月19日から販売される。
急増するスパムがISPの負担増に
「2006年後半から世界的にスパムが急増している」
説明会の冒頭で、センドメール株式会社 社長の小島國照氏はこのように語り、これがサービスプロバイダーのリソースを圧迫し、打撃を与えていることを指摘した。スパムの急増はいくつかの原因が重なっているためと考えられるが、小島氏はそのうち1つとしてDHA(Directory Harvest Attack)を挙げる。DHAはメールサーバに対してランダムなアドレスでメールを送信して、使用されているアドレスを見つけるという「メールアドレスの窃盗」とも言える手法だ。
小島氏はDHAに対する効果的な対策として「Sendmail Mailstream Flow Control」(以下Flow Control)の実績を紹介した。あるサービスプロバイダーでFlow Controlを導入したところ、半年でスパメールが80%から40%に半減したという。即効性はないものの、メールアドレス窃盗の防止がスパム減少に役立つことを示している。Flow ControlはDHAのような「アドレス収集攻撃」をはじめとする多くの攻撃を検知し、受信拒否や廃棄などの制御を行なうことで、メールシステムの負荷を軽減することができる。また、Flow Control 2.0では、メールシステムを構成する複数サーバ間での情報共有や、ファイヤーウォール機器の制御といった新しい機能も備えている。
IBM System xをベースにしたアプライアンス
続いて登壇した株式会社クラスキャット 代表取締役社長の佐々木規行氏が「ウィルス/スパム対策インターネットサーバアプライアンス」の紹介を行なった。
ハードウェアは、デュアルコアXeonを搭載した「IBM System x」がベースになっており、OSはRed Hat Enterprise Linux ES4がインストールされている。旧コバルトの管理ツール「Blue Quartz」をベースに、クラスキャットがRed Hat Enterprise Linuxにポートした管理コンソール「ClassCat Cute Server Manager」と、センドメールの「Mailstream Manager」とスパム対策エンジン、ウィルス対策エンジン(オプション)を搭載し、インターネットサーバに必要な機能をWebインターフェイスで制御することができる。
価格は500ユーザー対応モデルが125万1100円(税別)、1000ユーザー対応モデルが191万5300円(税別)となっている。製品の販売はダイワボウ情報システムが行なう。